2020年の東京五輪開催を控え、首都圏の交通インフラへの影響が懸念される中、住友商事が非常に野心的なプロジェクトを開始しました。2019年07月22日から2019年09月06日までの期間、国内に勤務する約4000人の全社員を対象に、時差通勤とテレワークを強力に推奨することを決定したのです。これは単なる混雑回避の手段に留まらず、日本を代表する総合商社が本気で挑む「働き方改革」の大きな一歩と言えるでしょう。
具体的には、通勤ラッシュが最も激しくなる午前8時から10時、および午後6時から8時の時間帯を避けて出退勤するよう全社に呼びかけています。この施策は、国や東京都が主導する「テレワーク・デイズ2019」に連動したもので、期間中に最低3回以上のテレワーク実施も全社員に促しています。住友商事のような巨大組織が、これほど大規模な一斉アクションを起こすことは、日本社会全体にとっても非常に大きなインパクトを与えるはずです。
今回の取り組みの核となるのが、昨年導入された「スーパーフレックス制度」と「テレワーク」の組み合わせです。スーパーフレックス制度とは、一般的なフレックスタイム制にある「必ず勤務しなければならない時間帯(コアタイム)」を撤廃し、午前5時から午後22時の間で社員が自律的に始業・終業時刻を決めることができる仕組みを指します。この柔軟な制度により、個々の生活スタイルに合わせた効率的な働き方が実現可能となるでしょう。
SNS上では、このニュースに対して「商社がこれだけ大胆に動くのは頼もしい」「満員電車の緩和に繋がってほしい」といった期待の声が上がる一方で、「実際にどれほどの部署で運用が浸透するのか」という実行力を注視する意見も散見されます。こうした声に応えるかのように、住友商事は開会式を想定した2019年07月24日と2019年08月23日を「コア日」と定め、各部署の50%以上がテレワークを行うという具体的な数値目標も掲げました。
部署間の壁を超えて定着を目指す、商社流の働き方モデル
興味深い点は、この施策が混雑の予想される東京だけでなく、大阪を含む国内の全拠点で行われることです。これは一時的なイベント対策ではなく、場所や時間に縛られない働き方を文化として根付かせたいという企業の強い意志の表れでしょう。既に一部の部署では、午前7時に出社して午後3時15分に退社するといった早朝勤務スタイルも始まっており、社員のプライベートの充実と業務効率の向上が図られています。
現状では部署によって制度の浸透具合に差があるようですが、今回の「4000人規模の実験」を通じて、課題を洗い出し、全社的な定着を目指す姿勢は高く評価されるべきです。私個人の見解としても、商社という多様なステークホルダーと関わる職種が率先して柔軟な働き方を示すことは、保守的な日本企業の風土を打破する絶好の機会になると考えています。五輪を「混雑の危機」ではなく「変革の好機」と捉える前向きな姿勢を支持します。
このようなトップダウンの強力な推進が、現場の意識をどこまで変えられるかが今後の焦点となるでしょう。同社が掲げる「生産性の向上」が、単なるスローガンではなく実感を伴う成果として現れるのか、非常に興味深い取り組みです。今回の実験の結果が、来年の本番、さらにはその先の未来における日本の標準的なワークスタイルになることを期待せずにはいられません。住友商事の次の一手からも目が離せない状況が続きそうです。
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