アフリカ大陸の経済が、再生可能エネルギーを基盤として劇的な変貌を遂げようとしています。これまで日本の大手商社によるアフリカビジネスといえば、石油や鉱物といった資源開発が主流でした。しかし、2019年08月25日現在の状況を見ると、その潮流は大きく変化しています。住友商事や丸紅といった企業が、現地のエネルギー新興企業へ相次いで出資を決めており、一般消費者向けの小売りビジネスへと軸足を移し始めているのです。
SNS上では「商社がインフラだけでなく生活そのものを支えに行くのは熱い」「アフリカのリープフロッグ(技術の飛び越し進化)を後押ししている」と大きな期待が寄せられています。特に注目を集めているのが、住友商事が2020年03月までに投資を計画しているケニアの「パワージェン」社です。同社は「マイクログリッド」と呼ばれる、村単位での小規模な発電・送電ネットワークを構築し、各家庭に電力を供給する画期的な事業を展開しています。
マイクログリッドとは、大規模な発電所に頼らず、太陽光パネルや蓄電池を組み合わせて地域内で電力を自給自足する仕組みを指します。パワージェンは各世帯に「スマートメーター(通信機能付き電力計)」を設置し、モバイル決済を通じて料金を回収する仕組みを整えました。一軒ごとにパネルを設置するよりもコストを抑えられるため、現地の生活者にとって非常に魅力的な選択肢となっているようです。既に1万世帯を超える供給実績を誇ります。
電力網を起点に広がる「巨大な生活プラットフォーム」への野望
商社が狙うのは、単なる売電収入だけではありません。住友商事は、この電力ネットワークを将来的に農業資材や日用品を届ける販売網として活用することを検討しています。電気が通ることで人々の生活水準が上がり、そこから新たな消費が生まれるという好循環を狙っているのでしょう。一方、三井物産も加わって支援する「M-KOPA」社は、太陽光パネルやテレビを割賦販売しており、2020年には100万戸への供給を目指す勢いです。
これまでテレビは富裕層の贅沢品でしたが、分割払いの仕組みによって中間層にも普及し始めています。これに合わせ、子供向けの教育番組といったコンテンツ配信ビジネスも視野に入ってきました。丸紅も2019年中に英アズーリ・テクノロジーズの筆頭株主となる予定で、三菱商事もコートジボワールで太陽光パネルの貸し出しを開始しています。まさに、アフリカの屋根の上が、日本企業による新たな市場争奪戦の舞台となっているのです。
私自身の見解として、この動きは単なる「支援」ではなく、極めて合理的なビジネス戦略だと感じます。先進国がたどった「巨大発電所からの送電」というプロセスを飛ばし、最初から分散型エネルギーとデジタル決済を組み合わせる手法は、効率性と持続可能性を両立させています。日本の商社が持つ緻密な小売りノウハウが、先行する欧州企業に対してどのような差別化を図れるかが、今後の勝敗を分ける決定的な要素になるでしょう。

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