2019年6月25日に東証マザーズへの新規上場(IPO)を控えるインフォネット(4444)は、企業や公共機関のWebサイト制作から運用までをワンストップで提供する実力派の企業です。デジタル時代のビジネスを支える同社の魅力と成長戦略を深掘りしていきましょう。
同社の事業の根幹は、クライアントのホームページ(ウェブサイト)の開発と、その後の運用・維持管理にあります。売上高の構成は、サイトをゼロから作り上げる「開発」がおよそ6割、「運用や維持管理」がおよそ4割を占めており、開発後の継続的な収益基盤がしっかりと確立されているのが大きな強みだと評価できます。開発から運用、そしてサイトを動かすサーバー環境の提供までを一手に行える体制こそが、クライアントからの信頼を勝ち得ている要因でしょう。
特にユーザーに好評なのは、同社の提供するCMS(コンテンツ管理システム)の使いやすさです。これは、ウェブサイトのコンテンツを、特別な専門知識がなくても、まるでブログを更新するような感覚で簡単に作成・更新できる仕組みのことです。利用する際の表示画面と編集画面がほとんど同じであるため、直感的な操作が可能となり、クライアントのWeb担当者の業務効率向上に大きく貢献していると考えられます。
さらにインフォネットは、時代の最先端を行く技術開発にも注力しています。それがAI(人工知能)チャットボット(自動応答システム)の「Q&Ai」です。チャットボットとは、ウェブサイトなどで自動的にユーザーの質問にテキストや音声で応答するプログラムのこと。このQ&Aiは、企業のカスタマーサポートや問い合わせ対応を効率化し、人手不足が深刻化する日本市場において、非常に高い需要が見込まれるでしょう。AI技術を活用した新しいソリューション提供は、同社の技術力と将来性を示す明確な証拠だと感じられます。
現在の主要な営業拠点は東京にあり、関東地域の顧客が取引の大部分を占めています。顧客層としては、従業員100人超の中規模な会社との取引が多いという特徴が見受けられます。しかし、今後は福岡や名古屋といった地方の主要都市への進出拡大を積極的に検討しており、全国的な事業展開を目指す意欲的な姿勢がうかがえます。
上場による資金使途と成長への展望
今回の新規上場に伴う公募で調達するおよそ4億円の資金は、主に人材投資に充てられる計画です。具体的には、営業部門の増員などを図り、さらなる顧客獲得を目指すとのことです。人材は企業の成長を支える最大の資産ですから、この資金使途は非常に理にかなっています。また、既存サービスの新機能開発にも資金を投じることで、サービス品質の向上と、より規模の大きい会社からの受注獲得を狙っていく方針です。
岸本誠社長は、株主還元について「現時点では、利益を再投資に回し、企業の成長を加速させることで株価を上げることが、株主への最大の還元につながる」という考えを示しています。もちろん、一定の利益が出た場合には配当も検討するとしていますが、まずは成長戦略への投資を優先する姿勢は、成長企業として非常に頼もしく、将来的な企業価値向上への強いコミットメントを感じさせます。
上場に際して、公募株式数は30万株、売り出し株式数は20万株(オーバーアロットメントによる売り出し分を含むと27万5千株)が予定されています。申込期間は2019年6月18日から21日、払込期日は2019年6月24日、そして主幹事はSBI証券が務めます。このIPOは、ITサービスやWeb制作業界の動向に関心を持つ投資家にとって、見逃せない機会となるでしょう。私の見解では、インフォネットが掲げる「ワンストップソリューション」と「AI技術の活用」という二つの柱は、デジタル変革の時代において、同社を力強く牽引する強力なエンジンになるものと確信しています。

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