国産ジェット旅客機**「三菱リージョナルジェット(MRJ)」を開発している三菱航空機**(愛知県豊山町)は、2019年6月7日に名古屋市内で記者会見を開き、注目すべき新戦略を明らかにいたしました。水谷久和社長は、現在開発中のMRJに加えて、新たに70席級の小型新機種を市場に投入する方針を示され、その動向が国内外の航空業界関係者から熱い視線を浴びています。この70席級の投入は、リージョナルジェット市場、すなわち主に地域間の短距離輸送に用いられる小型のジェット旅客機市場において、より幅広いニーズに対応するための布石となるでしょう。私も、日本の技術力を結集した航空機が、さらに多様なラインナップで世界に羽ばたくという未来に、大きな期待を寄せております。
また、会見の中で水谷社長は、将来的に海外生産を行う可能性について言及されました。具体的には、「事業が軌道に乗って量産が本格化し、一つの製造ラインでは追いつかず、二つの製造ラインが必要となれば、将来の選択肢としてあり得る話」であると述べられました。この発言は、現状では日本での開発・生産を堅持しつつも、将来的なMRJの量産化と世界展開を視野に入れた、戦略的な展望を示していると言えます。一方で、「今の時点では考えていない」「我々は日本で今後もやっていく」とも明言されており、日本の航空産業の復興というMRJが担う重要な役割への強い意志を感じ取ることができるでしょう。
さらに、記者からの質問に対する回答の中で、水谷社長は、2019年6月17日から開催される世界最大級のパリ航空ショーでの計画についても触れられました。このショーでは、「市場に投入するならどういう物が良いか構想を話す」としており、模型など様々なツールを駆使して説明を行う考えを明らかにされています。また、70席級の検討に合わせて、MRJという名称そのものの変更も検討しているとのことです。名称変更は、単なるラベルの貼り替えではなく、新しい市場戦略や機種ラインナップを反映したものとなる可能性があり、今後の情報に注目が集まることでしょう。これらの動きは、MRJプロジェクトが新たなフェーズへと進むことを示唆しているのではないでしょうか。
日本の技術の未来:海外生産の真意と地域への影響
海外生産の可能性に関する発言は、多くの読者に大きなインパクトを与え、「日本の製造業の象徴が…」といった意見や、「世界展開を見据えるなら当然の選択肢」といった賛否両論のSNSでの反響を呼んでいます。これに対し水谷社長は、「(海外拠点は)将来の事業によって判断する」「日本をやめるということではない」と強調されています。海外市場を睨み、必要に応じて拠点を持つという判断は、グローバル競争が激化する現代において、日本の航空会社が世界市場に良質な航空機を提供するための現実的な戦略であると私は考えます。日本の技術力をコアとして保持しつつ、効率的な供給体制を構築することは、世界に誇る日本のものづくりをさらに進化させる道筋となるでしょう。
また、親会社である三菱重工業が、カナダのボンバルディアと小型旅客機事業の買収交渉を進めているという報道についても質問がありましたが、水谷社長は「三菱重工が検討中で、答えが出ているわけでない。コメントは控えたい」と述べるに留められました。この交渉の行方は、MRJの事業展開、特に70席級のリージョナルジェット市場での競争環境に少なからず影響を与える可能性がありますが、現時点では、三菱航空機自身は開発に注力している様子が伺えます。日本の技術が世界に認められ、その翼を広げていくためにも、今後のMRJの挑戦と進化から目を離すことはできません。
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