日本人にとって秋の最大の楽しみといえば、やはり艶やかに炊き上がった「新米」ではないでしょうか。2019年10月18日、お米の市場に大きな変化の兆しが見えてきました。これまで4年という長きにわたって続いてきた新米の卸値上昇が、ついに一服したのです。
卸値とは、生産者から卸売業者に販売される際の価格を指しますが、これが安定することは家計にとって非常に明るいニュースといえます。特にブランド米の代表格である新潟産コシヒカリなどは、前年と同程度の価格に落ち着きました。SNS上でも「毎日の主食が安くなるのは本当に助かる」といった喜びの声が広がっているようです。
5年ぶりの供給過剰観測がもたらす価格変動のメカニズム
なぜ今回、上昇傾向が止まったのでしょうか。その背景には、全国的に稲の作柄が良好で、収穫量が需要を上回る「供給過剰」の予測が5年ぶりに出されたことが挙げられます。市場にモノが溢れれば、当然ながら価格を押し下げる力が働きます。
ここで注目したいのが、卸売業者の「買い控え」という動きです。将来的に米が余ると予測されるため、業者は高い値段で在庫を抱えることを避けようとしています。この慎重な姿勢が、結果として現在の卸値を抑制する大きな要因となりました。
気になるのが、2019年10月中旬に日本を襲った台風19号による被害状況でしょう。現時点での調査によれば、お米の全体的な供給量に対する影響は軽微であると分析されています。大きな天災に見舞われながらも、お米の流通システムは力強く維持されているようです。
私自身の見解としては、これは単なる価格の下落以上に、消費者主導の市場へと戻る良い機会だと感じています。近年はブランド化によって価格が高騰し続けていましたが、適正な供給量によって手頃な価格に戻ることは、若年層の「お米離れ」を食い止める特効薬になるはずです。
今後は、この卸値の安定がスーパーなどの「小売価格」に反映される時期が待たれます。美味しい新米をより身近に楽しめる日々が、すぐそこまで来ていると言えるでしょう。各家庭の食卓が、ふっくらとしたお米の香りで満たされる秋になることを期待してやみません。
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