🔥米中「踏み絵」の狭間で揺れる韓国の苦悩—ファーウェイ排除は安保か、経済か?5Gを巡るジレンマの深層

2019年6月、中国の通信機器最大手である**華為技術(ファーウェイ)を巡る米国と中国の激しい対立が、韓国に「踏み絵」を迫っています。米国は次世代通信規格「5G」**からのファーウェイ製品の排除を同盟国に働きかけ、一方の中国は、取引を停止する韓国企業を制裁対象とする可能性を示唆している状況です。安全保障面では米国、経済面では中国に大きく依存する韓国にとって、このジレンマは非常に深刻な問題となっています。

この対立構造は、SNS上でも大きな反響を呼んでおり、特に韓国国内のユーザーからは「国の安全と経済、どちらも重要で選べない」「企業が自律的に決定すべきという政府の立場は理解できるが、あまりにも無策ではないか」といった苦悩や戸惑いの声が多く見受けられます。また、「かつての**THAAD(サード)**報復の悪夢が再来するのではないか」と、中国の経済制裁を恐れる意見も目立ち、今後の動向に対する関心の高さがうかがえます。

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🇺🇸米国からの圧力:5G網からのファーウェイ製品排除要求

米国側は、ファーウェイ製品が中国政府による機密情報傍受の危険性を孕んでいるとして、同盟国に対して排除を強く求めています。2019年6月5日、ハリス駐韓米大使は、韓国の首都ソウルで開催されたイベントで、「信頼できる業者を選ぶことが、国家の安全保障と経済の両面で合理的です」と発言し、名指しこそ避けたものの、ファーウェイの基地局を採用している韓国の移動体通信大手3位、LGユープラス(LG Uplus)への明確な警告と受け止められました。

大使はさらに、「5Gに関する現在の判断は、今後数十年にわたる国の安全保障を左右するでしょう」と述べ、韓国に事実上の選択を迫ったのです。日本政府は2018年12月に、事実上ファーウェイなどの中国企業製品を排除する指針を決定済みですが、韓国では事情が異なります。LGユープラスは「世界初の商用化」を掲げ、2019年4月にすでに5Gサービスを開始しているため、ハリス大使の発言に困惑を隠せない様子で、「年内の設置分はすでに調達を終えており、計画を変更する予定はありません」と現状を堅持する姿勢を見せています。

通信業界の関係者によると、これから5Gに投資を始める日本とは異なり、韓国はすでに本格的な投資が進行中です。もしLGユープラスが他社製品への切り替えを決断すれば、莫大な追加費用が発生することになり、世界最速を狙った**「世界初」の栄誉**が、かえって足かせとなってしまっている状況です。

🇨🇳中国の反撃:中国版「エンティティー・リスト」の脅威

一方、中国側も手をこまねいているわけではありません。米国商務省が2019年5月中旬、米国企業によるファーウェイへの製品供給を事実上禁止する**制裁措置(エンティティー・リスト:EL)を発動したことへの報復として、中国側も対抗策を準備しています。中国商務省は5月末に、中国企業に不当な損害を与えた外国企業を列挙し、取引を制限する中国版「EL」**を作成すると発表しました。これは、ビジネス以外の目的で中国企業への供給を止めた企業を制裁するものです。

エンティティー・リスト(EL)とは、簡単に言えば「取引制限リスト」のことで、このリストに載った企業は、特定の国や企業との取引が厳しく制限される、あるいは禁止されることになります。ファーウェイは、半導体メモリーなどの部品を外国企業からの調達に依存しており、米国の禁輸措置により、米国の半導体大手マイクロン・テクノロジーなどとの取引は困難になりました。

このような状況下、中国当局は6月初旬に、韓国のサムスン電子やSKハイニックスといった企業を呼び出しました。SKハイニックスの関係者は、5月末にファーウェイ幹部が訪韓し、メモリーの供給継続を要請してきたことを明かしています。この中国当局による呼び出しは、ファーウェイとの取引を停止しないよう、韓国企業に事前に釘を刺す狙いがあったと見られています。

🤔「THAAD報復」の悪夢と傍観する韓国政府

中国からの圧力に直面し、韓国の産業界の脳裏をよぎるのは、2017年に起きた**「THAAD報復」**の悪夢です。THAADとは、地上配備型ミサイル迎撃システムのことで、米軍の韓国配備に反発した中国が、韓国企業に対して経済的な報復措置を行った出来事を指します。

特に、配備用地としてゴルフ場を提供したロッテグループは大きな被害を受けました。中国国内に約100店舗を展開していたスーパー「ロッテマート」は、消防法違反などを理由に大半が営業停止に追い込まれ、最終的には中国市場から完全に撤退する事態となりました。対応を誤れば、ビジネスに甚大な損害を被る可能性があるため、韓国企業は中国当局への対応に非常に神経をとがらせている状況です。

しかし、文在寅(ムン・ジェイン)政権は、この問題に対して傍観の姿勢を決め込んでいます。大統領府の尹鍾源(ユン・ジョンウォン)経済首席秘書官は2019年6月7日、ファーウェイ排除を求める米国の要請について、「企業が自律的に決定しなければならない問題です」と、政府として一線を引く発言をしました。これに対し、邱国洪駐韓大使は「韓国政府の対応を高く評価します」と歓迎するコメントを出し、中国側の意向に沿った対応であると捉えられたようです。

財界関係者は、「政治的に難しい立場なのは理解できますが、そうであっても米中両国に対し、韓国企業の立場を伝えるなど、政府にはもっと積極的に動いてほしい」と不満を漏らしています。しかし、政府も企業も、米中のどちらか一方に旗幟(きし)を鮮明にできないという宿命的な苦悩に直面しており、打開策となる**「妙手」**は見つからないままでしょう。

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