2019年11月05日、中国の経済的野心と国際的な存在感を象徴するビッグイベント「中国国際輸入博覧会」が、活気あふれる上海でその幕を開けました。今回で2回目を迎えるこの博覧会は、中国が単なる「世界の工場」から「世界の市場」へと変貌を遂げようとする姿勢を世界にアピールする絶好の舞台です。約150の国と地域から3900社もの企業が集結し、会場は熱気に包まれています。
開幕式の演壇に立った習近平国家主席は、基調講演の中でさらなる関税の引き下げを表明し、世界中のビジネスリーダーたちに秋波を送りました。この動きに対し、SNS上では「中国の巨大市場はやはり魅力的」「言葉だけでなく実行が伴うかに注目したい」といった、期待と警戒が入り混じった多くの意見が飛び交っています。自由貿易の旗手としてのイメージを確立しようとする、中国の強い意志が感じられる一幕でした。
保護主義への牽制と米中関係の微妙なバランス
習主席の講演で特に注目を集めたのは、米国を念頭に置いた「保護主義への断固とした反対」という力強い言葉でしょう。ここでいう保護主義とは、自国の産業を守るために輸入を制限したり高い関税をかけたりする経済政策を指します。米中通商摩擦が長引く中で、中国はあくまで開かれた貿易を支持する姿勢を強調しました。一方で、米国が強く求めている知的財産権の保護についても言及を忘れていません。
これは、現在進められている米中両国による合意署名を見据え、相手を過度に刺激しないための冷静な外交判断といえるでしょう。強硬な姿勢を崩さない一方で、歩み寄りの姿勢も見せるという、高度な政治的バランス感覚が発揮されています。個人的には、こうした「柔軟な強硬派」としての振る舞いこそが、現在の国際社会における中国の交渉力の源泉であると感じてやみません。
欧州との蜜月と金融市場の全面開放へ
さらに会場を驚かせたのは、フランスのマクロン大統領の出席です。G7(主要7カ国)の首脳として初めての参加は、中国にとって大きな外交的成果となりました。習主席が「欧州との投資協定交渉を加速させる」と述べると、マクロン氏も「中国の開放は世界にとって意義深い」と応じ、両国の親密さを演出しています。米国との距離を測りつつ、欧州との絆を深めるという戦略的な構図が明確になりました。
また、実務的な面では金融市場の開放が具体的に示されました。資産運用会社については2020年04月、証券会社は2020年12月に出資規制を撤廃するというスケジュールは、外資系企業にとって大きなビジネスチャンスとなるでしょう。景気減速の懸念が囁かれる中、中国がどこまでその購買力を維持し、世界の期待に応えられるのか。11月10日までの会期中に、その真価が問われることになります。
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