リクナビ内定辞退率予測問題から考える求人広告の未来!「許認可制」導入で就活生の信頼を取り戻せるか?

2019年、就職活動を取り巻く世界で最も世間を騒がせているニュースといえば、やはり「リクナビ」による内定辞退率の予測データ販売問題ではないでしょうか。大手就職情報サイトを運営するリクルートキャリアが、人工知能(AI)を駆使して学生が内定を辞退する確率を算出し、38もの企業にその情報を提供していたという衝撃的な事実です。

この問題の核心は、約8,000人もの学生データが、本人の明確な同意を得ないままビジネスの道具にされていた点にあります。SNS上では「信じていたプラットフォームに裏切られた」「学生を商品扱いしている」といった悲痛な叫びや、運営体制への強い不信感が渦巻いており、企業のモラルを問う声が絶えません。

運営側は公式サイトで謝罪し、学生に寄り添った判断ができていなかったと釈明しています。しかし、長年業界を牽引してきた老舗企業が、今さら「学生視点の欠如」を認めるという事態には、筆者としても強い違和感を禁じ得ません。相談機能の設置などを急いではいるものの、そもそもそれらが存在しなかったこと自体が不思議でならないのです。

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求人広告業界に「許認可制」というメスを入れるべき理由

一部の大学ではリクナビの紹介を控える動きも出ていますが、特定のサイトにしか掲載されない企業がある以上、学生側は不利を承知で使わざるを得ないのが現状です。こうした立場の弱さに付け入るようなビジネスモデルは、健全とは言い難いでしょう。これを機に、求人広告業界全体のあり方を抜本的に見直すべき時期が来たと確信しています。

ここで筆者が提言したいのは、求人広告会社を「許認可制」にすることです。現在は、職業紹介事業(エージェントが仲介する形式)は国の許可が必要ですが、ネット上の求人広告は比較的自由に参入できます。しかし、給与の水増しや虚偽の雇用形態といった「おとり広告」が後を絶たない現状、最低限の審査機能や個人情報管理の徹底は必須条件です。

「許認可制」とは、特定の事業を行う際に国などの公的機関から「許可」や「認可」を得る仕組みを指します。ハードルが高いと感じるかもしれませんが、テクノロジーが進化し、個人の尊厳を脅かすAI利用が可能になった現代において、倫理観の欠如した企業を放置することは、社会全体の損失に繋がると私は考えます。

産業構造を変える誇りと責任を取り戻せ

雇用の流動化が進む中で、求人情報の信頼性は社会のインフラそのものです。もし企業が「自分たちはクリーンだ」と自負するのであれば、厳格な管理体制を求める許認可制への移行に反対する理由はないはずです。むしろ、信頼の証として歓迎すべきことではないでしょうか。

リクルートの創業者である故・江副浩正氏は「求人広告は産業構造を変える」という言葉を残しました。2019年11月06日現在の状況を見渡したとき、果たして求人広告は個人や社会の未来を明るく照らしているでしょうか。今こそこの言葉の重みを噛み締め、求職者が心から安心して一歩を踏み出せる環境を整えるべきです。

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