2019年11月06日に発表された第37回サービス業調査の結果によると、不動産仲介業界は非常に活気ある局面を迎えています。仲介手数料の収入は前年比で3.6%のプラスを記録しており、これで4年続けての増加となりました。SNS上でも「都市部のマンション価格が上がっているのを実感する」といった声が多く聞かれ、市場の熱量がダイレクトに反映されている形です。
今回の成長を支えている大きな要因の一つは、大都市圏を中心とした地価の上昇にあります。土地や建物の公的な評価額である地価が上がることで、1件あたりの取引金額が底上げされました。その結果として、売買の成立時に不動産会社へ支払われる「仲介手数料」も自然と膨らむ仕組みとなっています。手数料率が変わらなくても、物件価格そのものが高騰している恩恵は大きいでしょう。
業界首位を独走する三井不動産リアルティは、6.2%増という目覚ましい成長を遂げました。同社は店舗網を積極的に広げる戦略をとっており、身近な相談窓口を増やしたことが功奏したようです。また、2000年代に建てられた比較的新しく質の高い中古マンション、いわゆる「築浅物件」の売買が活発だったことも、収益を大きく押し上げる要因となりました。
これに続く住友不動産販売や東急リバブルも5%を超える増収を達成しており、大手各社は軒並み好調を維持しています。調査に回答した企業のうち、約3分の1が「収入が増えた」と答えており、減少したと答えた企業を大きく上回りました。インターネットメディアの視点から見ても、今は資産価値の高い物件を賢く選ぶユーザーの目利きが、市場をさらに成熟させている印象を受けます。
成長の鈍化と今後の市場展望
順調に見える不動産業界ですが、実は成長のスピードにはわずかな変化も見られます。今回の伸び率は前回の調査時と比較すると1.7ポイント低下しており、勢いが少し落ち着いてきたという見方もできるでしょう。これは価格が高騰しすぎたことで、一般の買い手が手を出せる限界、いわゆる「値ごろ感」の境界線に達しつつあることが影響しているのかもしれません。
今後は単に地価の上昇に頼るだけでなく、どれだけ質の高い中古物件を確保し、顧客にマッチングできるかが各社の勝敗を分けるはずです。私個人としては、リノベーション需要の拡大や共働き世帯の利便性重視といったライフスタイルの変化が、今後の仲介市場をさらに面白くしていくと確信しています。時代のニーズをいち早く掴む企業の動向から、今後も目が離せません。
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