セブン―イレブン、ファミリーマート、ローソンのコンビニ大手3社が2019年11月11日に発表した10月の既存店売上高は、各社揃って前年同月を上回る結果となりました。2019年10月01日からの消費増税という大きな局面を迎えながらも、2カ月ぶりの増収を達成した背景には、政府主導の施策を巧みに捉えた戦略的な要因が隠されています。
特に大きな寄与となったのが「キャッシュレス・ポイント還元事業」です。これは現金を使わずクレジットカードやスマホ決済を行うことで、即時に2%相当が還元される仕組みです。SNSでは「コンビニで買うと実質増税前より安い」「小銭が不要で還元もあるならキャッシュレス一択」といった声が相次ぎ、消費者の決済スタイルに劇的な変化が起きています。
実際にセブンでは決済比率が約42%にまで跳ね上がり、増税前と比較して7ポイントも上昇しました。ファミマとローソンもそれぞれ25%、26%へと高まっており、キャッシュレス化の波は止まりそうにありません。また、台風19号の影響による一時閉店もありましたが、事前のまとめ買い需要がそれを補う形となったのは驚くべき事実でしょう。
「軽減税率」が変えた食卓!中食ニーズの拡大
増税と同時に導入された「軽減税率制度」も、コンビニには強い追い風として作用しました。これは、店内で飲食する「外食」は10%の税率が適用される一方、お弁当や惣菜を「持ち帰り」にする場合は8%のまま据え置かれる制度です。安く済ませたい消費者の心理が、外食からコンビニの「中食」へと流れたことが数字に表れています。
客数こそ減少したものの、比較的高単価な総菜や弁当が好調だったことで、客単価が前年を上回りました。セブンは3.4%増、ファミマは0.9%増、ローソンは0.3%増と、各社が恩恵を受けています。利便性に加え、レストランよりも手軽で安価な選択肢として、コンビニの食が再定義された月になったのではないでしょうか。
しかし、現場では「イートイン脱税」とも呼ばれる課題も浮き彫りになっています。持ち帰り(8%)で購入した客が店内で飲食するケースが発生しており、日本フランチャイズチェーン協会は会計時の自己申告を求めるポスター掲示や、音声案内による注意喚起を各社に要請しています。店側の負担増は、今後解決すべき大きな課題と言えます。
編集者としての意見ですが、今回の増収はコンビニが「単なる便利な店」から「家計を助ける賢い選択肢」へと進化した証だと感じます。複雑な税制や還元策を逆手に取り、デジタルと食を融合させた今のコンビニは、まさに現代社会の鏡です。混乱を乗り越え、消費者の生活にどう寄り添い続けるのか、今後の展開から目が離せません。
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