国民的ヒーローとして一世を風靡した俳優、大瀬康一さんが、81歳にして再び本格的な俳優業への復帰を果たしました。長らく実業家として活動されていた大瀬さんですが、その胸には再び演技への熱い思いが沸き上がってきたのです。それは、ご自身が「月光仮面」や「隠密剣士」として活躍された当時とはまた異なる、今の年齢だからこそ出せる「味」を生かした役作りに挑戦したい、という強い決意からでした。
俳優業から遠ざかっていたのは1970年代半ば以降のこと。引退という言葉こそ使わなかったものの、事実上のフェードアウトでした。その後は実業界で手腕を振るい、一時は好景気の恩恵を受けますが、その後のバブル崩壊で大きな打撃を受けます。これは当時の日本で多く見られた出来事でしょう。しかし、人生の経験を重ねた今、大瀬さんはもう一度、役者として勝負したいという情熱を抑えきれなくなったのです。
復帰を後押ししたのは、なんと「月光仮面」の大ファンという現事務所の56歳の社長との運命的な出会いでした。「月光仮面」放送当時には生まれていなかった世代からの熱烈な支持と、その社長の熱意に背中を押され、大瀬さんは2019年、ついに本格的に俳優として再始動することになったのです。長年のブランクがあっても、人の何倍も努力すれば良い、というそのひたむきな姿勢には、多くのファンから「応援しています!」「また銀幕で会えるのが楽しみ」といった温かい反響がSNSでも寄せられています。
俳優復帰を支える日々のトレーニング:恵比寿・茶屋坂での挑戦
大瀬さんの俳優復帰を支える揺るぎない自信の源は、徹底された日々の肉体づくりにあります。実は、大瀬さんは70歳の頃からジョギングを欠かさず続けてきました。現在81歳という年齢を感じさせない体力があるのは、この長年の積み重ねがあってこそでしょう。近年は、無理のないようトレーニング方法を工夫されています。
毎朝5時に起床し、まずはスクワットを50回こなして体を温めます。その後、自宅近くの坂道、特に写真に写っている「茶屋坂」を駆け下りるのが日課です。この「茶屋坂」は、東京都目黒区にある傾斜のきつい坂で、地元の人々にとっては有名なトレーニングスポットでもあります。この坂の上り下りを取り入れたことで、脚の筋肉の付き方が以前とは変わってきたと実感されているそうです。
茶屋坂を下りた後はウォーキングを交えながら目黒川付近を走り、再び茶屋坂を上って自宅へ戻ります。この約40分のトレーニングが、大瀬さんの強靭な肉体と精神力を保っているのでしょう。この体力があるからこそ、セリフ覚えなどの課題も努力でカバーできる、という確信につながっているに違いありません。この不屈の精神こそが、ヒーローを演じてきた俳優の真髄なのではないかと感じます。
そしていよいよ、2019年7月からは映画の撮影が始まる予定で、大瀬さんのやる気は今、最高潮に達しているようです。「人生100年時代」という言葉が聞かれる昨今ですが、大瀬さんはそれよりもさらに上をいく「101歳までは元気で頑張る」とご自身に誓われています。101歳を過ぎたその翌日には、かつて演じた「月光仮面のおじさん」のように、静かに月に帰る、と茶目っ気たっぷりに語っていらっしゃいます。大瀬康一さんの今後の活躍から、ますます目が離せないでしょう。
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