日本のインターネット業界に、また一つ歴史的な瞬間が刻まれました。ヤフーの親会社であるZホールディングスは、2019年11月14日、衣料品通販の大手「ゾゾタウン」を展開する株式会社ZOZOへの株式公開買い付け(TOB)が、無事に終了したことを正式に発表しました。
今回の買収劇は、約4007億円という巨額の資金が動く一大プロジェクトとなりました。これにより、ZホールディングスはZOZOの発行済み株式の50.1%を確保することに成功しています。2019年11月13日付で、ZOZOは正式に同社の連結子会社として新たな歩みを始めました。
専門用語として登場する「TOB」とは、特定の企業の経営権を得るために、あらかじめ価格や期間を提示して不特定多数の株主から市場を通さずに株を買い集める手法を指します。一方、「連結子会社」とは、親会社が経営を支配しており、財務諸表を合算して管理するグループ企業のことをいいます。
前澤友作氏の勇退とSNSの爆発的な反応
今回のTOBにおいて、特に注目を集めたのが創業者の前澤友作氏の動向です。前澤氏は自身が保有していたZOZO株の過半数を売却することで、経営の第一線から退く形となりました。これには、SNS上でも「一つの時代が終わった」「寂しいけれど新しい挑戦を応援したい」といった熱いコメントが溢れています。
SNSでは、ファッション界の異端児だった前澤氏の退任を惜しむ声だけでなく、ヤフー経済圏とゾゾタウンが融合することへの期待感も高まっています。特に「PayPay(ペイペイ)との連携で、服がもっと買いやすくなるのではないか」という利便性の向上を予測するユーザーの投稿が目立っているようです。
なお、ZOZOは子会社化された後も、東京証券取引所第1部への上場を維持する方針を貫きます。これは、ブランドの独自性を守りつつ、Zホールディングスという巨大なインフラを背景に、さらなる成長を目指す戦略的な判断といえるでしょう。市場はこの攻めの姿勢を、非常に前向きに捉えています。
インターネット通販の覇権争いは加速する
編集者の視点から述べれば、この統合は単なる買収以上の意味を持っています。国内EC市場で楽天やAmazonを追撃するZホールディングスにとって、ファッションに強い熱狂的なファンを持つZOZOを仲間に引き入れたことは、勝利への大きなピースを埋める行為に他ならないからです。
今回の手続きでは、買い付け上限を超える応募が集まったため、各株主の応募数に応じて比例配分する「案分比例」という方式がとられました。投資家たちの関心が極めて高く、この提携が「勝ち筋」であると確信されている証拠といえます。まさに、2019年の経済ニュースを象徴する出来事です。
今後は、ヤフーの集客力とZOZOのファッションセンスがどのように化学反応を起こすのかに期待が集まります。実店舗からネットへと消費の主役が移り変わる中、私たちは今、新しいお買い物体験が誕生するワクワクするような瞬間に立ち会っているのかもしれません。
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