2019年11月13日、日本化学工業の決算発表の場において、現在の厳しい輸出状況が浮き彫りとなりました。同社の伊藤正博執行役員は、主力の自動車部品用めっき素材である「クロム」の販売が苦戦を強いられている現状を明かしています。とりわけ韓国向け輸出の落ち込みが激しく、業界内でも波紋が広がっている状況です。
自動車の光沢や耐久性を生み出す「めっき」に欠かせないクロムですが、現在はトルコや中国といった競合国の安価な製品にシェアを奪われています。品質面でのアドバンテージはあるものの、価格競争の波に飲まれているのが実情でしょう。SNS上でも「日本の素材産業の優位性が揺らいでいるのではないか」と危惧する声が散見されます。
ここでいう「めっき」とは、金属やプラスチックの表面に薄い金属の膜を張る技術のことで、錆びを防いだり美観を整えたりするために用いられます。日本化学工業はこの分野で高い技術を誇りますが、現在は政治的な背景がその足を引っ張っているようです。こうした専門的な素材は、一度サプライチェーンから外れると復帰が難しい側面があります。
伊藤執行役員は「日韓の政治的な摩擦が激化してから、輸出減少の流れに拍車がかかった」と苦渋の決断を語りました。経済と政治は切り離せない関係にあるとはいえ、民間企業の努力だけでは抗えない壁が存在することを示唆しています。関係改善を待ち望む同社の姿勢からは、現場の切実な思いが痛いほど伝わってくるはずです。
今後の対策として、同社は競合に対抗するための値下げも視野に入れているといいます。しかし、私は単なる価格競争に陥ることは避けるべきだと考えます。日本の製造業が生き残る道は、付加価値の追求にこそあるのではないでしょうか。政治的な雪解けを期待しつつも、独自の技術力をどうブランド化していくかが今後の大きな鍵となるでしょう。
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