静岡市に拠点を置く富士データシステムが、介護現場の救世主となるべく大きな一歩を踏み出しました。同社は2019年09月に、ベトナムのホーチミン市にて現地法人「ケアコネクト ベトナム」を設立し、2019年10月より本格的な業務を開始しています。国内で深刻化するエンジニア不足を背景に、アジアの優秀な頭脳を確保することで、主力製品である介護記録システムの進化を一段と加速させる狙いがあるようです。
資本金5000万円でスタートした新会社は、まず8人の精鋭エンジニアを採用しており、2020年中には30人規模まで体制を拡大する計画を立てています。SNS上では「ITと介護の融合がさらに進む」「海外のリソースを活かす戦略は合理的」といった、期待を寄せる声が多く見られました。日本の介護業界が直面する人手不足という壁を、技術力とグローバルな視点で突破しようとする試みに、多くの注目が集まっています。
IoT連携で革新する「ケアカルテ」の利便性
今回、開発の主軸となる「ケアカルテ」は、高齢者の食事や排泄、入浴といった日々の膨大な記録をクラウド上で一括管理できるシステムです。特筆すべきは、あらゆるモノがインターネットにつながる「IoT(アイ・オー・ティー)」技術を駆使している点でしょう。これは、ベッドのセンサーやナースコールとシステムが直接通信し、人の手を介さずにデータを自動収集する仕組みを指しており、現場の負担を劇的に軽減する可能性を秘めています。
現在は約30社の外部機器と連携していますが、今後はさらにこの輪を広げていく方針です。使い勝手を向上させることで、導入時のハードルを下げ、より多くの施設でスムーズに運用できる環境を整えます。私は、単なる効率化を超えて「記録に追われる時間」を「入居者と向き合う時間」に変えようとする同社の姿勢こそが、今の日本に最も必要とされている価値だと確信しています。現場に寄り添うITこそが本物なのです。
カントー大学との連携と人材交流の架け橋
開発環境にも並々ならぬこだわりが感じられます。新会社のオフィスは、社員が席を自由に選べる「フリーアドレス」を採用し、カフェのような心地よい空間がデザインされました。2019年11月13日の取材に対し、斉藤重雄取締役は、若い感性を持つエンジニアを惹きつけ、生産性を高めるための戦略であることを明かしています。地元カントー大学とも手を取り合い、現地の熱気を取り込みながら、革新的なシステムが生み出されることでしょう。
さらに、この挑戦はシステム開発だけに留まりません。将来的には、ベトナムの技能実習生を日本の介護施設へ派遣する事業も視野に入れています。現地の送り出し機関と協力し、信頼性の高いルートを通じて日本の人手不足解消に貢献する構想です。2019年06月期に18億円だった売上を、今期は21億円まで伸ばす意欲的な目標を掲げており、技術と人の両面から日越の架け橋となる同社の動向から目が離せません。
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