SNS帝国の逆襲!新決済サービス「Facebook Pay」が描くキャッシュレスの未来とリブラの行方

2019年11月14日、SNSの巨頭である米フェイスブックが、新たな電子決済サービス「フェイスブックペイ(Facebook Pay)」を今週中に米国で開始すると発表しました。これまで独立していた各アプリの決済機能を一本化し、ユーザーにシームレスな体験を提供することが狙いです。

具体的には、フェイスブック本体をはじめ、メッセンジャーやインスタグラム、ワッツアップといった同社傘下の主要アプリを横断して利用可能になります。バイスプレジデントのデボラ・リウ氏は、一貫した安全な決済体験の重要性を強調しており、利便性の向上が期待されています。

SNS上では「ようやく統合されるのか」といった歓迎の声がある一方、「個人情報の取り扱いは大丈夫か」という慎重な意見も目立ちます。ネット広告事業で培った膨大なデータを、決済分野でどう扱うのかに注目が集まるのは、巨大プラットフォームゆえの宿命と言えるでしょう。

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アップルや中国勢に挑む「後発」としての現実的な戦略

現在のモバイル決済市場に目を向けると、ライバルの米アップルが圧倒的な存在感を放っています。2019年の市場シェアは47%に達する見通しで、ティム・クックCEOも、直近の四半期での取引回数が30億回を超え、あのペイパルを凌駕したことを誇らしげに語りました。

対照的にフェイスブックは、これまで収益の柱であった広告事業が好調すぎたがゆえに、決済分野への着手が遅れてしまった感は否めません。しかし、個人情報保護の観点から広告モデルへの風当たりが強まる中、決済という新たな収益源の確保は、同社にとって避けて通れない課題です。

また、世界に目を向ければ中国のアリペイなどが、QRコード決済を武器に凄まじい普及を遂げています。2016年時点のキャッシュレス比率で中国は66%に達し、米国の46%を大きく引き離しました。こうした国際的な潮流も、今回のサービス開始を後押しした要因の一つでしょう。

デジタル通貨「リブラ」の停滞と次なる一歩

フェイスブックが描いていた本来の野望は、独自のデジタル通貨「リブラ(Libra)」による国境なき金融システムの構築でした。しかし、各国の規制当局からの猛烈な批判にさらされ、2020年内の運用開始は極めて困難な情勢に追い込まれています。

リブラのような革新的な「仮想通貨(ブロックチェーン技術を用いたデジタル資産)」が足踏みする中で、既存のクレジットカード網を活用するフェイスブックペイは、極めて現実的な一手です。理想を追い求めるだけでなく、まずは足元の利便性を固める戦略へ舵を切ったと言えます。

個人的には、この「現実路線」への転換こそが、フェイスブックが信頼を取り戻すための第一歩だと考えます。リブラという壮大な夢も魅力的ですが、まずは日常の買い物や送金を安全に行える環境を整えることこそ、30億近いユーザーを持つ企業の責任ではないでしょうか。

今回の新サービスが、私たちのデジタルライフをどう変えるのか、その動向から目が離せません。決済という「社会のインフラ」を握ることで、フェイスブックが再びIT業界の主導権を握れるのか、2019年後半の大きな試金石となりそうです。

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