日本の空の守りに、今まさに大きな歴史の転換点が訪れようとしています。防衛省は、2020年度の予算案に、航空自衛隊のF2戦闘機の後継となる「将来戦闘機」の開発費を計上する方針を固めました。夏の時点では具体的な金額を明かさない「事項要求」としていましたが、12月下旬の閣議決定に向け、数百億円規模にのぼる予算の調整が最終段階に入っています。
今回のプロジェクトの最大の特徴は、日本が主導権を握って開発を進めるという強い意志です。これまでの戦闘機開発では、技術的な制約や外交上の理由から他国の主導を許す場面もありましたが、今回は「わが国主導」を掲げ、2035年頃の導入を目指して約90機を揃える計画です。SNS上でも「ついに国産主導の戦闘機が見られるのか」と、航空ファンを中心に大きな期待が寄せられています。
開発される機体は、地上や艦船への攻撃、そして空中戦までを一手に担う「マルチロール機(多用途戦闘機)」として構想されています。さらに、敵のレーダーから発見されにくくする「ステルス性能」も極めて重要視されています。防衛省は約10年前から国内企業と協力し、世界最高水準の次世代エンジンやステルス技術の研究を積み重ねてきました。
現代の戦闘機は、単に「速く飛ぶ」だけではなく、情報をいかに効率よく処理するかが鍵となります。2020年度からは、レーダーや電子機器を司る「ミッションシステム」の研究に注力する予定です。これはスマートフォンのOSをアップデートするように、最新のソフトウェアや機能を後から柔軟に追加できる仕組みを目指すもので、常に最新の戦闘力を維持するための画期的な試みと言えるでしょう。
また、今回の開発ではAI(人工知能)の活用や、無人の「遠隔操作型支援機(ドローン)」との連携も視野に入っています。複数の戦闘機がデータリンクで結ばれ、ネットワーク化されたチームとして戦う姿は、まさにSFの世界が現実になるかのようです。ただし、数兆円とも囁かれる膨大な開発費や技術的なハードルから、米国や英国との国際協力も不可欠な要素となっています。
かつてのF2共同開発では、日本が望んだ情報の開示が受けられないといった苦い経験もありました。しかし、今回は日本が舵を取り、海外の優れた技術を統合していく姿勢を鮮明にしています。私は、このプロジェクトが日本の防衛力を高めるだけでなく、停滞しがちな国内の航空宇宙産業に再び活力を与える起爆剤になると確信しています。
防衛装備庁内には、2020年度に専門チームである「将来戦闘機開発官(仮称)」が新設され、海外との交渉窓口も一元化される見通しです。日本を取り巻く安全保障環境が刻一刻と変化する中で、自らの手で未来の空の盾を創り上げるという挑戦は、2019年11月28日現在の私たちにとって、もっとも注視すべき国家プロジェクトの一つなのです。
コメント