【独自調査】「本当は仕事を続けたかった」育児離職女性が抱える仕事と両立の壁とは?

2019年6月21日、パーソル総合研究所が発表した調査結果が、子育て中の女性の働き方に対する社会の現状を浮き彫りにしています。この調査によれば、育児を理由に正社員の職を離れた女性のうち、じつに約6割が「出産後も本当は仕事を続けたかった」と考えていたことが判明したのです。一方、「出産を機に辞めたかった」という回答はわずか2割にとどまっており、働く意欲を持ちながらも、やむなく離職という選択を強いられている女性が多数を占めていることが鮮明になりました。

このニュースはSNSでも大きな反響を呼んでおり、「私もそうだった、辞めたくて辞めたわけじゃない」「社会全体で子育てと仕事の両立を支える仕組みが必要だ」といった共感の声や、職場環境に対する切実な意見が多く見受けられます。女性たちはキャリアに対する高い意識を持っているにもかかわらず、日本の労働環境や社会的な支援体制が、その意欲に応えられていない現状が浮き彫りになったと言えるでしょう。

調査は、小学生以下の子供がいる元正社員の女性300人を対象に、2019年1月にインターネットを通じて実施されたものです。「出産後も働き続けたかった」と考えていた女性は59.3%、「出産を機に辞めたかった」が20.0%、「どちらともいえない」が20.7%という内訳になっています。働く意思を持ちながら離職した女性が多いためか、現在も約半数にあたる47%の女性が、パートやアルバイトといった非正規の形で仕事に就いており、末子が小学生の子を持つ女性に限ると、その割合は60%に上るという結果が出ています。これは、正社員の働き方では子育てとの両立が難しいと判断しつつも、経済的な理由や社会とのつながりを求めて何らかの形で働きたいと願っている女性が多い実態を示しているのではないでしょうか。

スポンサーリンク

離職の背景にある子どもの年齢別・異なる悩み

女性たちが離職を決意した理由を子どもの年齢別に見てみると、その抱える悩みの種類に違いがあることがわかります。特に「第1子」の年齢は、親が初めて直面する子育ての様々な課題と密接に関わるため、離職との関係性が大きいとされています。

第1子が小学生の時に離職したケースでは、「子どもの成長を身近で見ることができない」(60.7%)、「子どもの精神的ケアが不十分」(50.0%)、「子どもに十分な教育ができない」(39.3%)など、子どものケアに関する項目が顕著に目立ちました。小学校入学は、保育園時代とは異なる集団生活や学習のスタートであり、親としては学童保育や送迎、宿題への対応など、より手厚いサポートが必要になると感じることが多いのでしょう。特に「精神的ケア」といった心の成長に関わる部分は、親がそばにいることの重要性を強く感じやすいのかもしれません。

一方で、第1子が3歳から6歳、すなわち主に幼稚園や保育園に通っている時期に離職した女性たちからは、職場環境に対する悩みが多く聞かれました。「職場で迷惑をかけているので肩身が狭い」(50.9%)、「子育てしながら働くことへの職場の理解が乏しい」(47.2%)といった回答が上位を占めているのです。この時期は、出産後に職場復帰し、時短制度(正式名称:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律に基づく、育児のための短時間勤務制度など)を活用している女性が多く、仕事の制約から他の同僚に負担をかけていると感じたり、職場の雰囲気に居心地の悪さを感じたりするケースが多いと推察されます。企業側には、単に制度を用意するだけでなく、制度を利用しやすい職場風土を醸成する、真のダイバーシティ&インクルージョン(多様な人材を認め、活かすこと)への取り組みが求められていると言えるでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました