日経平均オプション「売る権利」が14年ぶりの高水準!株高の裏に潜む投資家の本音と暴落対策の正体

現在の株式市場は一見すると堅調な動きを見せていますが、その水面下では投資家たちが慎重に、そして着実に「不測の事態」への備えを固めています。2019年12月06日現在、日経平均株価のオプション取引において、将来の株価下落時に利益を得られる「プット・オプション」の需要が異例の盛り上がりを見せているのです。

ここで注目すべき指標が「プット・コール・レシオ(PCR)」と呼ばれるものです。これは投資家が強気か弱気かを測るバロメーターのようなもので、下落に備える「売る権利(プット)」の残高を、上昇を期待する「買う権利(コール)」の残高で割って算出されます。数値が大きくなるほど市場の警戒心が強いことを示しますが、2019年12月05日時点で1.97という数値を記録しました。

この水準は実に2006年02月以来、約14年ぶりという極めて異例の弱気サインとなります。SNS上でも「これだけ株価が高いのに、中身はスカスカなのか」「嵐の前の静けさを感じる」といった声が上がっており、現在の株高を素直に喜べない投資家の戸惑いが、冷徹なデータとして浮かび上がっている状況でしょう。

特に売買が集中しているのは、権利行使価格が2万1000円から2万3000円あたりのプットです。2019年12月から2020年02月にかけて満期を迎える2万2500円の権利については、2019年12月05日の売買高が11月末比で2.3倍にまで膨れ上がりました。市場関係者からは、相場急変に対する「保険」としての需要が広がっているとの見方が出ています。

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不透明な米中交渉と割高感への警戒

こうした防衛的な動きの背景には、2019年12月15日に控えた米中貿易交渉の行方があります。スマートフォンなどを対象とした対中追加関税の発動期限が迫る中、トランプ大統領の発言一つで相場が上下する不安定な状況が続いています。投資家たちは、交渉の結果次第でこれまでの株高が霧散してしまうリスクを強く意識しているようです。

また、日本株の「割高感」も無視できない要素となっています。企業の利益に対して株価が何倍まで買われているかを示す「PER(株価収益率)」は、2019年11月末時点で約14倍まで上昇しました。これは2018年05月以来の高水準であり、来年度以降の劇的な業績回復が証明されない限り、ここからの上追いは厳しいという冷ややかな意見も聞かれます。

しかし、投資家が完全に日本株を投げ出しているわけではありません。日経平均が2万3000円台を維持しているのは、もし米中協議が劇的な合意に至れば、世界的に「リスクオン(投資家が積極的にリスクを取る状態)」が加速するという期待があるからです。そのため、現物株は持ちつつプットでヘッジするという、非常に繊細な立ち回りが主流となっています。

個人的な見解を述べれば、現在の市場は「期待という名の薄氷」の上に立っているように見えます。テクニカルな指標が14年ぶりの警戒感を示している以上、たとえ表面上の株価が強くても、資産を守るための「保険」を検討するのは賢明な判断でしょう。しばらくは政治情勢と企業業績の狭間で、神経を削るような展開が続くに違いありません。

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