AGCがバイオ医薬品事業を加速!米欧拠点に20億円投資で挑むCDMO市場の未来

ガラス大手のAGCが、次世代の医療を支えるバイオ医薬品の開発製造受託(CDMO)事業において、さらなる攻勢をかけます。同社は2019年11月20日、約20億円という巨額の資金を投じて、欧米の生産拠点を大幅に増強することを発表しました。この大胆な戦略投資は、急成長を続ける医薬品市場でのプレゼンスを確固たるものにするための大きな布石となるはずです。

今回の設備増強の舞台となるのは、アメリカとデンマークにある主要工場です。まず、米国子会社であるAGCバイオロジクスのシアトル工場には、動物細胞バイオリアクターという巨大な培養槽を新たに1基導入します。これは、動物の細胞を利用して複雑な構造を持つタンパク質を効率よく生成するための装置であり、最新のバイオ技術には欠かせない中核的な設備といえるでしょう。

一方、デンマークのコペンハーゲン工場では、医薬品の純度を高めるための精製ラインを新設する予定となっています。高度な技術が求められる精製工程を強化することで、高品質な医薬品の安定供給を狙います。これらの新設備は、2020年4月20日から順次稼働を開始する計画です。こうしたスピーディーな展開に対し、SNSでは「ガラスのイメージが強いAGCの変貌に驚く」といった期待の声が広がっています。

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CDMO戦略で狙う2025年の売上1000億円超え

AGCがこれほどまでに投資を加速させる背景には、抗体医薬を中心としたバイオ医薬品市場の爆発的な拡大があります。特にがん治療などに用いられる抗体医薬は、従来の化学合成薬に比べて製造の難易度が極めて高く、専門的な技術を持つ企業への委託ニーズが年々高まっているのです。そこで注目されているのが、製薬会社に代わって開発から製造までを請け負う「CDMO」というビジネスモデルです。

CDMOとは、医薬品の「開発(Development)」と「製造(Manufacturing)」をセットで受託する組織(Organization)の略称です。製薬会社にとっては、自前で高額な工場を建てるリスクを抑えつつ、最先端の技術を活用できるという大きなメリットがあります。AGCはこの分野を将来の成長を牽引する戦略事業と位置づけ、その強化に全力を注いでいる状況にあります。

同社が掲げる目標は極めて野心的で、2018年12月31日時点で約449億円だったライフサイエンス関連の売上高を、2025年までに1000億円以上に引き上げるとしています。素材メーカーとして培った独自の技術力をバイオの領域に転換するこの挑戦は、企業の多角化経営の理想的な姿だと言えるでしょう。素材の枠を超え、人類の健康に貢献しようとする同社の姿勢には、編集部としても大きな期待を寄せています。

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