飲料業界の巨人、サントリーホールディングスが新たな時代への舵を切ります。2019年12月10日、同社はグループ中核企業を含む7社の社長交代を発表し、業界内外に大きな激震が走りました。この大規模な人事刷新は、変化の激しい市場環境において、次なる成長を確固たるものにするための攻めの布陣といえるでしょう。
今回の人事でも特に注目を集めているのが、製造・技術部門を支える「サントリーMONOZUKURIエキスパート」のトップに就任する小嶋幸次氏です。小嶋氏は1978年4月1日に京都大学大学院工学研究科を修了後、サントリーへと入社しました。技術者としての確かなキャリアを積み上げ、2017年からはサントリーホールディングスの副社長という重責を担ってきた人物です。
小嶋氏が率いることになった「MONOZUKURI(ものづくり)エキスパート」という組織は、名前の通り製造プロセスにおける専門家集団を指します。原料の調達から製品化、さらには最新鋭のテクノロジーを駆使した品質管理まで、サントリーブランドの根幹である「品質」を維持・向上させる役割を担っており、いわば企業の心臓部を司る重要なセクションなのです。
SNS上では、この異動に対して「現場を知り尽くした技術屋のトップ就任は心強い」「サントリーの品質がさらに進化しそう」といった期待の声が多数寄せられています。滋賀県出身で、現在67歳の小嶋氏が持つ豊富な経験と、工学的な知見に基づいた論理的な経営手腕は、多様化する消費者のニーズに応えるための強力な武器になるに違いありません。
小嶋幸次氏の新社長就任は2020年1月1日を予定しており、これまで長らく組織を牽引してきた井床真夫社長は同日をもって退任されます。リーダーシップのバトンが渡されるこの瞬間は、単なる役員の交代劇に留まらず、サントリーが掲げる「水と生きる」というフィロソフィーを、より高次元で具現化するための重要な転換点となるはずです。
編集者の視点から言えば、伝統ある大手企業がこれほど大胆に技術職出身のベテランをトップに据える決断をした点に、サントリーの本気度を感じずにはいられません。効率化ばかりが叫ばれる現代だからこそ、あえて「ものづくり」の原点に立ち返り、技術の継承と革新を両立させようとする姿勢は、多くの日本企業にとっての指針となるでしょう。
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