東北の経済状況に、少しばかり冷たい風が吹き込んできたようです。東北財務局が2019年12月11日に発表した「法人企業景気予測調査」の結果によると、同年10月から12月期における企業の景況感が、3四半期ぶりに悪化へと転じました。SNS上でも「地元のお店の客足が減った気がする」「台風の影響がまだ尾を引いている」といった、肌感覚での景気後退を懸念する声が目立っています。
今回の調査で注目すべきは、景況判断指数(BSI)と呼ばれる指標がマイナス14.2という厳しい数字を記録した点でしょう。このBSIとは、自社の状況が前の時期より「良くなった」と答えた企業の割合から、「悪くなった」と答えた割合を差し引いた数値のことです。この値がマイナスに振れるほど、現場の企業が苦境に立たされていることを意味しており、前回調査から10.7ポイントも下落した事実は見過ごせません。
製造業を襲う外需の冷え込みと非製造業を直撃した自然災害
業種別に見ると、特に製造業の落ち込みが深刻さを物語っています。中国経済の減速を背景とした世界的な需要の低下により、情報通信機械や非鉄金属といった分野が苦戦を強いられました。海外との取引が多い製造業にとって、国際情勢の揺らぎは避けて通れない課題です。かつての勢いが失われつつある現状に、多くの経営者が慎重な姿勢を崩せないでいるのは、将来への不透明感が拭いきれないからではないでしょうか。
一方で非製造業も、マイナス15.9という大幅な悪化を記録しています。これには2019年10月12日に日本を襲った台風19号による甚大な被害が大きく関係しており、多くの小売店が営業休止を余儀なくされました。さらに、2019年10月1日から実施された消費税増税に伴う「駆け込み需要」の反動も追い打ちをかけています。増税前に家電などの高額商品が売れた反動で、その後の消費が冷え込むのは予測されたことですが、現場のショックは想像以上だったようです。
私自身の見解としては、今回の悪化は東北独自の要因と、世界情勢という抗えない波が重なった「不運な重奏」だと感じています。特に自然災害の影響は企業の努力だけではカバーしきれない部分も大きく、地域の基盤を支える中小企業への支援が急務です。ただ、落ち込んでばかりもいられません。先行きの予測では、2020年1月3月期にはマイナス幅が縮小するとの明るい兆しも見えており、復興需要や経済の底打ちに期待が集まっています。
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