静岡の金融界に激震!金融検査マニュアル廃止で問われる信用金庫の「真の目利き力」と未来への課題

2019年12月13日、地域金融のあり方を大きく変える転換点が訪れました。長らく日本の金融行政の指針となってきた「金融検査マニュアル」が、ついに今月廃止されます。これを受けて日本経済新聞社が静岡県内の全9信用金庫にアンケートを実施したところ、この変革を前向きに捉えているのはわずか3金庫に留まるという、意外な結果が明らかになりました。

そもそも金融検査マニュアルとは、1999年7月に導入された金融機関向けの厳格な手引書です。バブル崩壊後の不良債権問題を解決するため、融資先を財務状況などで機械的にランク付けし、貸し倒れに備える「引当金」を積み立てる基準として機能してきました。しかし、あまりに画一的な運用が続いたことで、現場の審査能力が低下したという弊害も指摘されています。

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期待と不安が交錯する静岡県内9信金のリアルな本音

アンケートにおいて「好影響がある」と答えたしずおか焼津信用金庫は、2019年11月の調査に対し、地域特性を活かした顧客サポートが可能になると期待を寄せています。同金庫は、数字に表れない企業の成長性を評価する「事業性評価」を重視し、相談業務への人員配置を厚くする方針です。浜松いわた信用金庫なども、経営の自由度が高まる点をメリットとして挙げています。

一方で、慎重な姿勢を崩さない金庫も目立ちます。富士宮信用金庫は、長年マニュアルに沿って実務をこなしてきた職員が多く、基準の再整備に不安を感じると吐露しました。SNS上でも「これからは担保頼みの融資が通用しなくなる」「本当の意味で地域を支える力が試される」といった、期待と不安が入り混じった鋭い意見が多く見受けられます。

今回、島田掛川信用金庫のように「当面は従来通りの基準を継続する」という選択をする金庫があるのも、実務上の混乱を避けるためには現実的な判断と言えるでしょう。しかし、三島信用金庫が将来のリスク予測を取り入れた新しい計算手法の検討を急いでいるように、変化の波は確実に押し寄せています。独自の「目利き」をどう確立するかが、今後の生き残りの鍵です。

編集者の視点:形式的な「格付け」から、未来を創る「対話」の時代へ

今回のマニュアル廃止は、金融機関にとって「教科書」を失うような不安があるかもしれません。しかし、私はこれこそが地域経済を活性化させる絶好のチャンスだと考えています。数字上の財務諸表だけで判断するのではなく、経営者の情熱や技術力、地域のニーズを汲み取った融資が行われるようになれば、これまで光が当たらなかった中小企業にも道が開けるはずです。

もちろん、自由には責任が伴います。各信金は、自らの判断でリスクを予測し、健全性を保つための高度な専門性を磨かなければなりません。地域に最も近い存在である信用金庫が、マニュアルという鎧を脱ぎ捨てて、いかにして取引先と伴走していくのか。静岡の地から始まるこの金融の「自律」への挑戦を、私たちは注視していく必要があるでしょう。

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