中国共産党の閣僚級ポストにまで登り詰めたウイグル族の有力者、ヌル・ベクリ氏に対して、極めて重い審判が下されました。2019年12月2日、遼寧省瀋陽市の中級人民法院は、収賄罪などの罪に問われていた彼に対し、無期懲役という厳しい判決を言い渡したのです。
このニュースが流れると、SNS上では「出世頭だった彼ですら容赦されないのか」といった驚きの声が広がりました。一方で、巨額の不正蓄財に対する厳しい批判や、背後にある政治的な意図を訝しむ意見も目立ち、中国の闇の深さを物語っているといえるでしょう。
異例のキャリアを歩んだエリートの転落
ヌル・ベクリ氏は、ウルムチ市長や新疆ウイグル自治区政府の主席を歴任した後、国家の経済政策を担う国家発展改革委員会の副主任という要職に就いていました。少数民族出身者としては異例のスピード出世を果たした、まさに「民族の星」とも呼べる存在だったはずです。
裁判所側の説明によると、彼は国家エネルギー局長などの立場を利用し、特定の個人や企業に対して便宜を図っていたとされています。その見返りとして得た不正な利益は、日本円にして約12億円にも上る7910万元という、想像を絶する巨額なものでした。
ここでいう「収賄罪」とは、公務員がその職務を利用して賄賂を受け取る犯罪を指しますが、中国では汚職撲滅(反腐敗運動)が強化されています。彼はこの激しい浄化作戦の標的となり、2018年9月21日に中央規律検査委員会の調査が発表されてから、一気に転落の道を辿りました。
国際社会の視線と習近平指導部の強硬姿勢
今回の判決は、単なる汚職事件の決着以上の意味を含んでいると考えられます。現在、欧米諸国からはウイグル族への弾圧を巡る厳しい批判が相次いでおり、内部文書の流出なども相まって、国際的な非難の声は日増しに高まるばかりです。
そのような状況下で、あえてウイグル族の元トップに無期懲役という重刑を科した点は注目に値します。これは習近平指導部が、外部からの批判に屈することなく、国内の統制をさらに強めていくという断固たる意志の表れではないでしょうか。
ベクリ氏は判決を受け入れ、上訴しない意向を示したため、刑はそのまま確定する見通しです。個人的には、能力ある人物が腐敗に手を染めた事実は残念ですが、同時にこの判決が、他の中堅幹部たちへの強力な見せしめとして機能しているようにも感じられてなりません。
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