AOKIが紳士服から「遊び」の殿堂へ!快活CLUBなどエンタメ事業を倍増させ営業利益逆転を狙う新戦略

紳士服の代名詞ともいえるAOKIホールディングスが、いま大きな転換期を迎えています。2019年12月19日、同社の田村春生副社長は、これまで看板だったファッション事業に代わり、複合カフェやカラオケなどのエンターテインメント事業が収益の柱になるという驚きの見通しを明らかにしました。ビジネスウェアの市場が冷え込むなかで、同社は遊びとくつろぎを提供する空間ビジネスへ、その情熱を大きくシフトさせているのです。

具体的には、快活CLUBやコート・ダジュールといった人気ブランドを抱えるエンタメ部門の店舗数を、現在の約500店から数年で1000店舗へと倍増させる計画です。2019年3月31日時点での規模から一気に拡大し、街の至る所で「快活」の看板を目にすることになるでしょう。SNSでは「最近、AOKIの店舗が快活CLUBに変わっているのを見かける」「スーツを買いに行くより、漫画を読みに行く場所になった」と、その変化を肌で感じる声が続出しています。

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攻めの先行投資が切り拓く「稼ぎ頭」の交代劇

現状の数字を見ると、ファッション事業の営業利益が75億円であるのに対し、エンタメ事業は28億円にとどまる見込みです。しかし、これは決して不調を意味するものではありません。あえて利益を削ってでも100店舗近い新規出店を強行する「先行投資」の結果なのです。企業が支払う費用には、将来の利益を生むための種まきが含まれます。この出店攻勢が一巡したとき、エンタメ事業は爆発的な収益を生む化け物へと進化するに違いありません。

ここで注目したいのが「のれん償却」という専門用語です。これは、他社を買収した際にかかったコストを数年に分けて費用として計上することを指します。AOKIは、この会計上の費用を差し引く前の営業利益で、2023年3月31日までに205億円以上という高い目標を掲げています。これは社員に向けたストックオプション(将来、あらかじめ決められた価格で自社株を買える権利)の行使条件にもなっており、経営陣の本気度がうかがえます。

編集者の視点から言えば、この戦略は極めて合理的かつ大胆です。テレワークの普及やオフィスカジュアル化により、スーツが「必需品」から「贅沢品」へと変わりつつある今、漫画喫茶という個室空間の需要はさらに高まるでしょう。AOKIが「着る」幸せから「過ごす」幸せへと価値観を広げたことは、まさに時代を先読みした英断です。1000店舗体制が実現したとき、私たちのライフスタイルはより豊かで便利なものへとアップデートされているはずです。

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