2019年12月18日の東京株式市場では、前日にアメリカのダウ工業株30種平均が過去最高値を塗り替えた勢いに乗ることができず、日経平均株価は反落する結果となりました。米中間の貿易摩擦が一時的に和らぎ、先行きに対して楽観的な見方が根強い一方で、市場関係者の間には慎重なムードが漂い始めています。
SNS上でも「そろそろ調整が来るのでは」「高値圏で手が出しづらい」といった不安の声が目立っています。株価が少しずつ上昇を続ける「じり高相場」の裏側で、急激な変動を予兆するシグナルが点灯しており、年末年始の閑散期を前に投資家たちは緊張感を高めているようです。
過熱感を示すテクニカル指標と需給の変化
警戒の根拠の一つは「移動平均線乖離率」の拡大です。これは現在の株価が、過去の一定期間(今回は26週間)の平均値からどれほど離れているかを示す指標ですが、2019年12月18日時点で8%を超えています。過去にはこの数値が10%に達した直後に暴落が起きた例もあり、過熱感は無視できない水準に達しています。
また、需給バランスにも変化が見られます。割安感から買い戻されていた日本株ですが、現在は買いと売りの勢いが拮抗する状態となりました。さらに買い進むためには、市場を納得させるような新たな好材料が不可欠ですが、現状ではそれが見当たらないという指摘も専門家から上がっています。
「嵐の前の静けさ」を物語る変動率の低下
特に注目すべきは、2019年12月17日に約2年4カ月ぶりの低水準を記録した「日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)」です。これは市場が予想する将来の価格変動の大きさを数値化したもので、数値が低いほど投資家が「穏やかな相場が続く」と安心していることを意味します。
しかし、この指数には「底を打つと一気に跳ね上がる」という性質があります。変動率が低い時に買いを入れる運用手法が普及しているため、何らかのショックで数値が上昇に転じると、雪崩を打ったような売りが連鎖する危険性を秘めています。現在の平穏は、まさに大きな嵐が来る前の静けさと言えるのかもしれません。
個人投資家の防衛策と今後の展望
こうした不穏な空気を察知してか、個人投資家の間ではリスク回避の動きが加速しています。株価が下がると利益が出る「ダブルインバース」と呼ばれる投資信託の残高が、2019年12月17日時点で過去最高を更新しました。多くの人々が、目先の調整に対して「保険」をかけ始めている実態が浮き彫りになっています。
私個人の見解としては、米中対立の緩和という「期待」だけでここまで買われてきた相場には、脆さがあると感じます。実体経済や企業業績の裏付けが伴わない中での上昇は、足場が不安定です。取引が少なくなる年末年始は価格が飛びやすいため、今は利益確定を優先し、嵐が過ぎるのを待つのが賢明な判断ではないでしょうか。
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