【働き方の未来】フェンリルが仕掛ける「旅する短期赴任制度」とは?感性を研ぎ澄ますクリエイティブな交流のカタチ

スマートフォンアプリ開発の最前線を走るフェンリル株式会社(大阪市)が、なんとも魅力的な新制度をスタートさせました。2019年12月19日現在、注目を集めているのは、社員が自ら希望する拠点へ短期間赴任できるという画期的な試みです。対象となるのは京都市や島根県松江市、さらには中国の成都や大連といった国内外の6拠点に及びます。

この制度の最大の特徴は、1カ所あたり5日間から15日間という絶妙な期間設定にあります。しかも、移動に伴う交通費や宿泊費、海外保険料といった基本的な経費はすべて会社が負担してくれるという手厚さです。さらに、赴任先のメンバーとの交流を深めるための懇談費まで補助されるとあって、至れり尽くせりの内容と言えるでしょう。

SNS上では「有給を使わずに環境を変えて働けるのは理想的」「会社負担で感性を磨きに行けるなんて羨ましすぎる」といった驚きと期待の声が広がっています。単なる出張とは異なり、自発的な「交流」と「刺激」を目的としている点が、現代のクリエイターたちの心を強く掴んでいるようです。

スポンサーリンク

画面越しでは得られない「温度感」を求めて

2005年の設立以来、約300人の精鋭を抱える同社が、なぜ今このような制度を導入したのでしょうか。背景にあるのは、皮肉にもIT企業が得意とする「テレワーク」や「チャット文化」の普及です。これらは物理的な距離をゼロにしましたが、一方で「画面の向こう側の相手」という記号的な関係を生んでしまう側面もあります。

同社では、同じプロジェクトに携わりながら一度も顔を合わせたことがないケースも珍しくありません。そこで、あえて直接会って「ひととなり」を知ることで、より深い連携を生み出そうとしているのです。IT用語で言うところの「ハイタッチ(人間味のある交流)」を、デジタルな環境に意図的に組み込む戦略と言えます。

2019年11月25日から5日間、この制度を利用して名古屋から松江へと赴いた22歳の女性社員は、その手応えを語ります。普段はアプリ開発に従事する彼女ですが、松江でウェブ開発の現場に触れたことで、部署を超えたワンチームとしての意識が芽生えたそうです。まさに、百聞は一見にしかずを体現したエピソードですね。

クリエイターの想像力を刺激する未知の文化体験

フェンリルの社員の約7割を占めるのは、エンジニアやデザイナーといった技術職の人々です。彼らの仕事の本質は「頭の中のイメージを形にする」ことにあります。そのためには、日常のルーチンから飛び出し、未知の文化や景色に触れて感性をアップデートすることが、何よりも良質なアウトプットに繋がるのです。

私自身の意見としても、この取り組みは非常に理にかなっていると感じます。特に若手社員にとって、異なる拠点の空気感を肌で感じることは、キャリアの幅を広げる最高のスパイスになるはずです。会社側が「感性を養うことも仕事のうち」と公言してくれる姿勢は、クリエイティブ業界における福利厚生の新しいスタンダードになるでしょう。

2018年11月に先行導入されて以降、利用者はまだ数名とのことですが、今後は月2人ペースでの利用を目指すそうです。同僚への遠慮や心理的な壁を取り払うため、研修会や会社側からの積極的な提案も検討されています。大手企業を支える同社の技術力は、こうした「心の通った交流」からさらに磨かれていくに違いありません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました