じめじめとした天気が続く梅雨の時期、そしてこれから迎える本格的な夏にかけて、特に注意したいのが食中毒です。食中毒というと、夏場に起きやすいイメージがありますが、湿度が高い今の時期も食べ物が傷みやすく、細心の注意を払う必要があります。先日、遠い南米の国ペルーでは、筋力の低下や手足の麻痺を引き起こすギラン・バレー症候群が集団発生したというニュースが報じられました。これは伝染性の疾患とされ、特にカンピロバクターなどの食中毒菌が原因ではないかと疑いの目が向けられているとのことです。
食中毒を引き起こす細菌には、このカンピロバクターの他にも、重篤な症状を引き起こす腸管出血性大腸菌(O157)、さらにはサルモネラ、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオなど様々な種類が存在します。これらの菌による食中毒は、嘔吐や下痢、高熱といった自覚症状が現れるまでに、数日間という潜伏期間があるのが特徴です。そのため、実際に体調を崩した際に「いつ、何を食べて食あたりしたのか」という原因食材を特定することが非常に困難になってしまいます。また、疲労や睡眠不足といった体のコンディションの悪さも、症状をさらに悪化させる要因となることがあります。
家庭での食中毒を防ぐためには、調理器具や食器を常に清潔に保つことが基本中の基本です。しかし、自宅のキッチンや食卓での管理は容易でも、特に梅雨の時期、外出先で食べるお弁当に関しては、さらに意識的な注意が必要になってきます。お弁当を安全に保つための工夫として、まず実践したいのが除菌、防臭、防カビ対策です。お弁当箱へ食品用のアルコールスプレーを吹きかけるひと手間が、これからの季節の衛生管理に大きな効果を発揮するでしょう。
さらに大切なのは、おかずを詰める際の温度管理です。調理したおかずは、必ず室温以下までしっかり冷ましてからお弁当箱に詰めるように徹底しましょう。熱いまま蓋をしてしまうと、蒸気が水滴になり、お弁当箱の中で雑菌が繁殖しやすい環境を作り出してしまいます。詰めてから食べるまでの間に数時間以上の時間が空く場合は、必ず保冷剤を添えて、中の温度が上がらないように配慮することが重要です。
傷みやすい食材に要注意!お弁当の「定番」にも潜むリスク
お弁当の彩りとしてよく利用されるミニトマトやレタスなどの葉物野菜、キュウリといった生野菜は、時間が経つとしおれるだけでなく、傷みやすい傾向があります。また、タンパク質源として、そして鮮やかな彩りとして欠かせない卵焼きやゆで卵も、作り置きする場合は、安全性を考慮してせいぜい1日か2日の間で食べきるようにしたいものです。
特に注意が必要なのが、マヨネーズを使ったポテトサラダなどの副菜です。じゃがいもを熱々の状態で使用して調理を始めると、十分に冷め切らないうちに保存容器に入れてしまいがちです。しかし、これが食中毒菌を増殖させる原因となり得ます。ポテトサラダのような作り置きのおかずは、調理後、手早く、そして確実に冷やしてから保存することが大切なのです。
このお弁当の食中毒対策は、SNSでも大きな関心を集めているテーマです。「#お弁当づくり」「#食中毒対策」といったハッシュタグのもと、「保冷剤は凍らせたゼリーを使うとデザートにもなって一石二鳥」「おかずの水分をしっかり切ってから詰めている」といった、読者自身の工夫や体験談が多数寄せられています。食卓プロデューサーである荒牧麻子氏も指摘するように、この時期の弁当作りは「愛情」だけでなく「細心の注意」を込めることが、家族の健康を守る鍵となるでしょう。ご多忙の中でも、少しの手間と意識で、食中毒のリスクは大幅に下げることができます。安全で美味しいお弁当づくりを実践していきましょう。
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