「世界のマック」に挑む日本の回転ずし!くら寿司・田中社長が描く、海外市場制覇への壮大なロードマップ

日本の食文化を代表する「回転ずし」が、今まさに世界のファストフード市場を塗り替えようとしています。業界大手のくら寿司が打ち出したのは、単なる海外進出に留まらない、驚くべき資本戦略です。2019年8月上旬、同社は米国子会社「Kura Sushi USA」を米ナスダック市場へと上場させました。自国以外で資金を募り、その土地で成長を加速させるというこの手法は、日本の飲食業界では極めて稀な挑戦として注目を浴びています。

田中邦彦社長が掲げるライバルは、意外にも同じ寿司チェーンではありません。なんと世界に冠たる「マクドナルド」なのです。田中社長は、年間売上高が1兆円を超えるようなメガチェーンと肩を並べることを目標に据えています。米国は外食産業において世界最大のマーケットであり、そこで日本の本物の味を広めることこそが、真のグローバル企業への道だと確信しているのでしょう。この強気な姿勢は、SNS上でも「志が高い」と大きな反響を呼んでいます。

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米国からアジアへ、加速するグローバル上場戦略

ナスダック市場への上場(IPO)により、くら寿司は約50億円もの潤沢な資金を手に入れました。このIPOとは、未上場企業の株式を証券取引所に公開し、誰でも売買できるようにすることを指します。これにより、日本本社からの送金に頼ることなく、現地の信用力で銀行融資を受けることも可能になりました。2019年8月期には売上高が前期比24%増の約6424万ドルに達しており、今後5年間で年率20%という驚異的なペースでの店舗拡大を計画しています。

快進撃は米国だけに留まりません。くら寿司は2020年度内にも、台湾子会社の株式上場を見据えています。2014年に設立された台湾法人は、現在22店舗を展開するまでに成長しました。ここをアジア圏の戦略拠点と位置づけ、将来的には東南アジア諸国への進出も視野に入れています。現地の資本を活用しつつ、ストックオプション(あらかじめ決められた価格で自社株を買える権利)を導入することで、優秀な現地人材を確保する狙いもあるようです。

飽和する国内市場を飛び出し、世界の頂点へ

一方で、この果敢な海外攻勢の裏には、国内市場の厳しい現実も透けて見えます。2019年10月期の国内既存店売上高は前年比で3.8%減少しており、ライバル他社との激しい顧客獲得競争が続いています。少子高齢化が進む日本では、劇的な成長を望むのが難しくなっているのが現状です。だからこそ、現在は売上全体の1割程度に留まっている海外比率を、一気に5割まで引き上げるという田中社長の構想には、企業存続をかけた執念が感じられます。

個人的な見解ですが、この戦略は非常に合理的かつ夢があると感じます。日本食ブームに甘んじることなく、米国の金融ルールやスピード感を取り入れる柔軟性は、これからの日本企業が見習うべき姿ではないでしょうか。安くて美味しい「回転ずし」が、世界中でマクドナルドのように親しまれる日は、そう遠くないかもしれません。2019年12月20日現在、くら寿司が踏み出したこの一歩は、日本の外食史に刻まれる重要な転換点となるはずです。

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