2019年10月の消費税率引き上げから2ヶ月が経過しようとしていますが、地方の消費現場には依然として厳しい寒風が吹き荒れています。日本百貨店協会が発表した最新のデータによりますと、2019年11月における四国地区の百貨店売上高は、合計で78億7600万円という結果になりました。これは前年の同じ時期と比較して6.9%もの減少となっており、増税前の駆け込み需要による「反動減」の影響が色濃く残っていることが伺えます。
特に大きな打撃を受けているのが、百貨店の華とも言える主力部門の衣料品です。四国内5店舗の合計販売額は前年比13%減と、二桁台のマイナスを記録しました。SNS上では「最近はネット通販で済ませることが増えたけれど、地元の百貨店が活気を失うのは寂しい」といった声や、「増税後の節約志向で、高額な冬服にはなかなか手が出ない」というリアルな消費者の本音が漏れ聞こえており、家計の紐が固くなっている現状を浮き彫りにしています。
気温の変化と消費マインドの冷え込みが招く苦戦
各店舗の状況を詳しく見ていくと、苦境の要因は増税だけではないことが分かります。松山三越では、2014年の前回増税時と比較しても反動の余波が長期化していると分析しています。また、そごう徳島店によれば、2019年11月前半の気温が高めに推移したことで、本来なら売れ行きが伸びるはずの冬物衣料が全般的に苦戦を強いられました。季節の歩みが遅かったことも、衣料品不振に拍車をかけた要因と言えるのではないでしょうか。
また、いよてつ高島屋では婦人服の主軸であるコート類が非常に厳しい状況に陥っています。一方で、高知大丸からは興味深い報告も届きました。一般のお客様が訪れる店頭での販売は、靴やバッグを含めて厳しい状況が続いていますが、「外商」と呼ばれる特定の顧客への個別訪問販売では、アクセサリー部門がプラスを維持しているとのことです。富裕層向けのサービスは底堅さを見せているものの、一般層の購買意欲をどう喚起するかが大きな課題です。
私個人の視点として、百貨店は単に物を売る場所ではなく、地域の文化や賑わいを象徴する拠点であると考えています。今回のデータで示された「美術・宝飾・貴金属」の23.7%減という大幅な落ち込みは、人々の心理的な余裕の欠如を反映しているようで懸念を隠せません。利便性の高いオンラインショッピングが台頭する今だからこそ、百貨店にしか提供できない「対面ならではの付加価値」や「体験」をいかに磨き上げられるかが、再起の鍵を握るでしょう。
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