ソフトバンク・ビジョン・ファンドが「ワグ」から撤退!犬の散歩代行サービスの苦境と投資戦略の転換

投資界の巨人であるソフトバンクグループ傘下の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」が、大きな決断を下したことが2019年12月10日に明らかになりました。同ファンドは、スマートフォンアプリを通じて犬の散歩を代行するアメリカのスタートアップ企業「ワグ(Wag Labs)」の全株式を、同社へ買い戻させる形で売却することに合意したのです。

ワグは「犬のウーバー」とも称され、急成長が期待されていたペットテック企業でした。しかし、期待に反して収益化が難航し、近年は業績の低迷が続いていたようです。2018年1月30日に約3億ドル(当時のレートで約330億円)という巨額出資を受けたものの、市場競争の激化や運営コストの増大により、2019年に入ってからは大規模な人員削減を余儀なくされていました。

今回の発表を受け、SNSでは「期待されたビジネスモデルだったが、実情は厳しかったのか」「ソフトバンクの投資手法が岐路に立っている」といった驚きの声が広がっています。ワグのギャレット・スモールウッドCEOは、2019年12月9日に従業員に対し、ソフトバンク側とは「友好的な決別」を選択したことを伝えたと報じられており、再出発に向けた覚悟が滲んでいるようです。

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ペットテックの厳しさとビジョン・ファンドの次なる一手

ここで注目すべきは、「スタートアップ」と呼ばれる革新的な技術やアイデアで急成長を目指す企業の舵取りの難しさでしょう。ワグが展開していたのは、テクノロジーを駆使してペットケアを効率化する「ペットテック」という専門分野です。しかし、物理的な労働が伴う犬の散歩代行では、デジタル領域のように爆発的な利益率を維持することが困難だったと推測されます。

私個人の見解としては、今回の売却は単なる「失敗」ではなく、ビジョン・ファンドによるポートフォリオの健全化に向けた「損切り」に近い判断だと考えています。特にウィーワーク(WeWork)の混乱以降、投資先の収益性に対する世間の目は非常に厳しくなっています。赤字を垂れ流して拡大を続けるモデルから、着実に利益を生むモデルへの転換が求められているのでしょう。

ファンドの広報担当者は売却価格などの詳細を伏せていますが、今回の撤退は業界全体に大きな衝撃を与えました。2019年12月11日現在の状況を鑑みると、投資家たちは今後、より慎重な選別を行うようになるはずです。ワグが自立した経営で再び輝きを取り戻せるのか、あるいは他の大手資本の傘下に入るのか、その動向から目が離せません。

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