トランプ米政権が、現在アフガニスタンに駐留している約1万3000人の米軍部隊のうち、約4000人を削減する方向で最終調整に入ったことが、2019年12月15日までに複数の米メディアによって報じられました。これはトランプ大統領が掲げる「終わりの見えない戦争からの脱却」という選挙公約の実現へ向けた大きな一歩となります。
SNS上では「ようやく兵士たちが家族のもとへ帰れる」と歓迎する声が上がる一方で、「性急な撤退はテロの再燃を招くのではないか」という不安の声も渦巻いています。削減計画は数カ月をかけて段階的に実施される見通しで、早ければ2019年12月の第3週内にも正式な発表が行われる可能性があるとNBCテレビなどが伝えています。
混迷を極めるタリバンとの和平交渉とテロの脅威
注目すべきは、反政府武装勢力「タリバン」との和平交渉が完全な合意に至らなくとも、米軍側が規模縮小に踏み切る構えを見せている点でしょう。タリバンとは、かつてアフガニスタンを支配したイスラム主義勢力であり、現在は政府軍や米軍と激しい戦闘を続けています。両者は2019年12月上旬に交渉を再開しましたが、いまだに停戦合意には至っていません。
現場の状況は依然として深刻です。タリバンは交渉中も米軍への攻撃を継続しており、さらに過激派組織「イスラム国」(IS)も国内で勢力を拡大させていると伝えられています。十分な治安維持能力を持たないアフガニスタン政府軍を置き去りにしたまま米軍が去れば、この地域が再び国際的なテロの温床となるリスクは否定できないでしょう。
歪められた戦況と大統領の決断
2019年12月上旬にはワシントン・ポスト紙が、歴代政権が戦況を意図的に楽観視して国民に説明していたとする内部報告書を暴露しました。いわゆる「戦況の歪曲(わいきょく)」が明るみに出たことで、トランプ大統領はこの泥沼化した戦争を終結させるための大義名分を得た形となります。無益な軍事介入を嫌う彼にとって、この報告書は撤収を加速させる絶好の材料です。
編集者の視点から言えば、平和を願う気持ちは共通ですが、力の空白が生む代償はあまりに大きいと感じます。単なるコストカットや政治的パフォーマンスとしてではなく、アフガニスタンの人々の安全を担保した上での責任ある出口戦略が求められているのではないでしょうか。2019年末、世界の注目はこの過酷な土地の未来へと注がれています。
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