福岡を拠点にエネルギーインフラを支える西部ガスが、いよいよ東南アジアでの攻勢を強めています。同社は2020年5月を目処に、タイの首都バンコクへ新たな駐在員事務所を設立することを決定しました。シンガポールに続く海外2カ所目の拠点となるこの事務所は、今後のグローバル展開において極めて重要な役割を担うことになるでしょう。
今回の拠点設置の背景には、現地での事業スピードが加速している点が挙げられます。西部ガスはすでに2019年1月、三井住友銀行グループなどと共同で初の海外法人「西部ガスタイランド」を設立しており、エネルギー事業で培った信頼を武器に、異業種である不動産市場への参入を鮮明に打ち出しているのです。
不動産事業への本格参入と情報収集の重要性
特筆すべきは、2019年3月に現地建設業者と合弁で「SGエンリッチ」を立ち上げ、バンコク市内での戸建て分譲住宅プロジェクトに着手している点でしょう。駐在員事務所とは、収益を直接上げる営業所とは異なり、主に市場調査や人脈作りを行うための拠点です。自社スタッフを日本から1~2名派遣し、常に最新の動向をキャッチアップする体制を整える方針です。
ネット上の反応を見ると、「地元のガス会社が海外で家を売る時代なのか」と驚きの声が上がる一方で、「日本の高品質な住宅管理ノウハウはタイでも需要が高そう」といった期待も寄せられています。インフラ企業が培ってきた「安心感」は、言葉や文化の壁を越えて、海外の消費者にとっても大きなブランド価値として機能するに違いありません。
筆者の視点としては、国内の人口減少に伴うガス需要の飽和を見据え、成長著しい東南アジアの不動産市場に活路を見出す戦略は非常に理に適っていると感じます。特にバンコクのような都市部では、富裕層を中心に質の高い住環境への投資が活発です。情報収集の拠点を得たことで、今後はエネルギー供給と住宅開発を掛け合わせた、独自のビジネスモデルが花開くのではないでしょうか。
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