2020年01月03日、大学ラグビーの全国選手権において、明治大学が王者の誇りを感じさせる凄まじい執念を見せつけました。試合終盤に訪れた絶体絶命のピンチを、個々の技術だけでなく組織としての「結束力」で跳ね返す姿は、まさに新時代のラグビーを象徴する光景だったと言えるでしょう。
試合の明暗を分けたのは、後半残り15分の緊迫した場面です。明大は一時退場者(シンビン)を出し、数的不利に陥るなかでスクラムの反則を連発してしまいました。次に崩れれば認定トライを奪われ、さらに選手が減るという最悪のシナリオが目前に迫っていたのです。田中監督ですら、失点を覚悟して次のキックオフの準備を考えていたほどでした。
しかし、フィールドに立つ学生たちの心は折れていませんでした。武井主将を中心とした徹底的なコミュニケーションが、崩れかけたスクラムを土壇場で修正させたのです。スクラムとは、フォワード同士が組み合い、押し合うことでボールを奪い合うセットプレーですが、ここでの戦略変更が奇跡を呼び込みました。
明大は最後方の選手の配置を微調整し、弱点となっていた右側の強度を補強しました。これにより、相手の推進力を正面から受け止めるのではなく、横へと受け流すことに成功したのです。こぼれ出たボールに対し、フォワード陣が猛然と襲いかかる姿には、観客席からも驚嘆の声が上がっていました。
SNS上では、この明治の驚異的な粘りに対し「これが伝統の重みか」「絶望的な状況での修正力が異次元すぎる」といった賞賛のコメントが相次いでいます。劣勢を跳ね返すための「現場の判断力」こそが、今の明大を支える最大の武器であることは間違いありません。
受け継がれる勝利の文化「ウイニングカルチャー」の真髄
前半の攻撃シーンも鮮やかでした。おとりとなるフォワードの背後でバックスが鋭く抜け出すという、緻密に計算されたプレーで2つのトライを奪取しました。パワーだけに頼るのではなく、頭脳的な戦術を完遂できる組織としての完成度が、今シーズンの彼らの強さを物語っています。
田中監督は、逆境の中でしぶとく勝ちを拾い続ける今のチームを「ウイニングカルチャー(勝利の文化)が芽生えてきた」と高く評価しています。これは、ただ勝つだけでなく「どうすれば勝てるのか」を選手自身が考え、自律的に行動する文化が根付いていることを指す言葉です。
私自身の視点から言えば、この「現場での自己修正能力」こそが大学スポーツの枠を超えた明大の魅力だと感じます。監督が諦めかけた局面で、学生たちが対話を通じて答えを導き出した点は、まさに教育の枠を超えた勝負師の集団としての姿であり、見る者の心を揺さぶらずにはいられません。
次なる舞台は、6万人もの大観衆が詰めかけることが予想される2020年01月の国立競技場での大決戦です。劣勢をも楽しむかのような強靭な精神力を手に入れた明治が、聖地でどのような輝きを放つのか。彼らが培ってきた「勝利の文化」が本物かどうか、その真価が問われる瞬間が刻一刻と近づいています。
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