2020年01月03日、私たちは新しい時代の幕開けとともに、日本経済が直面する大きな転換期に立っています。経済産業省が警鐘を鳴らす「2025年の崖」という言葉をご存知でしょうか。これは、老朽化した既存システムが足かせとなり、2025年以降、最大で年間12兆円もの経済損失が生じる可能性があるという衝撃的な予測です。しかし、この危機は裏を返せば、ITの力でビジネスモデルを根本から変革する「デジタルトランスフォーメーション(DX)」を成し遂げる絶好のチャンスといえるでしょう。
SNS上では「古いシステムを使い続ける限界を感じる」といった悲鳴に近い声が上がる一方で、「崖を飛び越えるための準備を今こそ始めるべきだ」という前向きな意見も目立ちます。DXとは単なるIT化ではなく、データとデジタル技術を駆使して、顧客価値や競争優位性を再構築することを指します。2020年は、この動きがさらに加速するのは間違いありません。企業の成長を左右するのは、社内に散らばった膨大な情報をいかに収集し、精緻に分析できるかという「情報の統合力」にかかっているのです。
業務の「見える化」がもたらす真の自動化
最近では、定型業務を自動化する「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」が大きな注目を集めています。これは人間がパソコン上で行う操作を、ロボットが代行してくれる技術のことです。例えば、2020年03月には、はんこの押印を自動化するユニークなロボットの提供も予定されています。こうした試みは業務効率を向上させる一助にはなりますが、印鑑というアナログな習慣を残したままでは、真の意味でビジネスのあり方を変えるDXとは呼びがたいのが現状です。
そこで重要になるのが「プロセスマイニング」という最新の手法です。これは、システム内に残された「ログ(操作履歴のデータ)」を解析し、実際の業務フローを鏡のように映し出す技術を指します。米ユーアイパスや独セロニスなどが提供するこのツールを使えば、人間が気づかなかった無駄な手戻りや、複雑に枝分かれしたボトルネックを自動で発見できます。単に作業を自動化する前に、まずは業務そのものを「最適化」する視点が必要不可欠であり、これこそが崖を克服するための第一歩となるはずです。
リアルタイムな経営判断を支えるデータの統合
DXを加速させるためには、システム全体の動きを把握するアプローチも欠かせません。例えば「ニューレリック・ワン」のような監視ツールを活用すれば、通販サイトで顧客がどこで迷っているのかを即座に特定できます。また、蓄積されたデータをグラフなどで可視化し、意思決定をサポートする「BI(ビジネス・インテリジェンス)」ツールの導入も進んでいます。米タブローソフトウエアや米ドーモの技術は、もはや経営者の「羅針盤」としての役割を果たしているといっても過言ではありません。
日々刻々と変化する現代のビジネス環境において、過去の経験だけに頼る経営は限界を迎えています。これからは、クラウドエラなどが提供するプラットフォームで情報を一元管理し、人工知能(AI)を用いて未来を予測する体制が、あらゆる業種で求められるでしょう。私は、日本企業が「2025年の崖」を恐れるのではなく、古い慣習を脱ぎ捨てて新しいテクノロジーを貪欲に取り入れることで、世界に誇れるデジタル先進国へと進化することを切に願っています。
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