2019年12月16日、通信大手のKDDIとコンビニ大手のローソンが資本業務提携を発表し、業界に大きな衝撃が走りました。この提携により、ローソンが導入している「Ponta(ポンタ)」の運営会社にKDDIが出資し、将来的には「au WALLETポイント」がPontaへ統合される見込みです。通信と小売りの巨頭が手を組んだ背景には、スマホ決済市場の熾烈な生き残り競争があります。
SNS上では、このニュースに対して「auユーザーなのでPontaに統合されるのは利便性が高くて嬉しい」といった歓迎の声が上がる一方で、「ポイント経済圏の集約がどんどん進んでいく」と、業界の再編スピードに驚く意見も散見されます。もはや単なる決済手段の提供だけでは生き残れない、選別の時代が本格的に到来したと言えるでしょう。
コンビニ大量出店モデルの終焉と新たな生存戦略
これまでコンビニ業界は、圧倒的な店舗数を武器に成長を続けてきました。しかし、2020年2月末における大手3社の合計店舗数は5万2241店に達する見込みですが、その純増数はわずか276店に留まる模様です。前年比0.5%増という数字は、1979年度以降で過去最低の伸び率となり、もはや大量出店で収益を上げるモデルは限界を迎えています。
市場の飽和に加え、ドラッグストアなど異業種との激しい客奪い合いが激化している点も見逃せません。さらに深刻な人手不足に伴う人件費の高騰は、フランチャイズ加盟店の経営を圧迫し続けています。1店舗あたりの売上高が伸び悩む中で、各社は新店を増やす攻めの姿勢から、既存店の効率化を重視する守りと改善の姿勢へと舵を切っています。
そこで重要となるのが、IT技術を駆使した集客施策や、ネットと実店舗を融合させる「OMO(Online Merges with Offline)」という考え方です。これは、オンラインとオフラインの境界をなくし、顧客体験を向上させる仕組みを指します。KDDIが持つ1億人超の会員基盤と、ローソンのリアル店舗網が結びつくことで、データに基づいた緻密なマーケティングが可能になるはずです。
私自身の見解としては、今回の提携は単なるポイントの統合以上の意味を持つと考えています。決済データを通じて「誰が、いつ、何を買ったか」という行動ログを把握することは、次世代の小売業において最強の武器となります。通信キャリアが生活インフラであるコンビニを飲み込むようなこの動きは、私たちの消費スタイルをよりパーソナライズされたものに変えていくでしょう。
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