受験シーズンが本格化し、最後の追い込みに全力を注ぐ受験生も多いのではないでしょうか。しかし、自宅で一人きりで机に向かっていると、スマートフォンの誘惑や孤独感に負けそうになることも珍しくありません。そんな中、現代の学生たちの間では、スマホをあえて集中するための「最強の味方」へと変える新しい学習スタイルが大きな話題を呼んでいます。
特に注目を集めているのが、無料の通信アプリを活用して友人と画面越しにつながる「勉強通話」という手法です。この方法のユニークな点は、通話中におしゃべりを楽しむのではなく、お互いに一言も発さずに黙々と作業を進める点にあります。SNS上でも「誰かに見られている感覚があるだけで、サボりたい気持ちが消える」「適度な緊張感が心地いい」といった共感の声が次々と上がっています。
実際にこの方法を取り入れている高校生からは、まるで同じ部屋で一緒に机を並べているかのような連帯感を得られるという声が届きました。互いの姿をビデオ画面に映し出すことで、程よい相互監視の環境が生まれ、自宅にいながら高い集中力を維持できるようです。また、勉強を頑張っている自分の姿を大切な友人に認めてもらいたいという承認欲求が、ポジティブなモチベーションへと変換されています。
さらに、一人では気が重くなる大学の卒業論文といった長時間の作業でも、このつながりが精神的な支えになります。友人と同じ空間を共有しているという安心感があるためか、一人で黙々と作業をこなす場合と比べて、終わった後の疲労感が大幅に軽減されると語る大学生もいます。疑問点が生じた際に、メッセージを送る手間を省いてその場ですぐに質問できる利便性も、このスタイルの魅力です。
進化する学習サポートアプリと、動画を駆使した新時代の戦略
こうした若者たちのニーズを捉え、教育現場も動き出しています。株式会社ベネッセコーポレーションは2019年12月5日に、複数人でのビデオ通話を可能にした無料の学習管理アプリ「スタディキャスト」の提供を開始しました。このアプリは、ダラダラと話し込んでしまうリスクを防ぐため、15分間の集中と1分間の休憩を繰り返す時間管理機能を備えており、学習データの可視化も可能です。
一方で、一緒に作業する友人が見つからない時でも、動画配信プラットフォームのYouTubeを開けば心強い相棒に出会えます。画面の向こうで配信者がただひたすら勉強や仕事に没頭する姿を映した「勉強耐久動画」が、中高生を中心に大ヒットしているのです。流れてくるのは、ノートをめくるかすかな音や、キーボードを叩く打鍵音だけで、BGMなどの音楽は一切流れません。
無音では寂しいけれど、流行の音楽を流すと歌詞に意識が引っ張られてしまうという矛盾した悩みを、この動画は見事に解決してくれます。人気の教育系ユーチューバーである葉一(はいち)さんは、視聴者からの熱い要望を受けて30分や90分といった様々なバリエーションの耐久動画を投稿しており、その圧倒的な再生回数の伸びに、配信者側も新たな需要の大きさを実感しています。
現役の学生だけでなく、配信を行うクリエイター側からも「見られている緊張感によって、自分自身が最も集中できる」という声が上がっているのは興味深い現象です。ネットを介した緩やかなつながりは、現代人の孤独を癒やしつつ、作業能率を高める画期的なライフハックと言えます。デジタルツールを悪者にするのではなく、自らの成長のために賢く手なずける彼らの柔軟な姿勢を、私も見習いたいと感じます。
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