2019年11月21日、日本労働組合総連合会(連合)は来たる2020年の春季労使交渉に向けた強気な闘争方針案を明らかにしました。今回の目玉は、基本給を一律に底上げする「ベースアップ(ベア)」において、2%程度の要求を維持したことです。定期昇給分を合わせると、合計で4%程度の賃上げを目指すという、働く人々にとっては非常に心強い内容となっています。
特筆すべきは、今回から「具体的な金額」を前面に押し出した交渉スタイルへシフトした点でしょう。連合は、働き盛りの35歳(勤続17年)で月額28万7000円、30歳(勤続12年)で25万6000円という具体的な賃金目標を掲げました。また、最低賃金についても時給1100円以上という高いハードルを設定し、働く現場の底上げを狙っています。
ここで改めて解説しますと、ベースアップとは個人の能力に関わらず社員全員の給与水準を一斉に引き上げることを指します。これに対し、年齢や勤続年数に応じて上がるのが定期昇給です。SNSでは「具体的な数字が出ると期待してしまう」「自分の給料と見比べてしまう」といった声が上がっており、実額提示による波及効果が注目されています。
連合がここまで踏み込んだ背景には、企業規模や雇用形態によって生じる「賃金格差」を是正したいという強い決意があるのでしょう。同じ仕事をしていても、大企業と中小企業、あるいは正社員と非正規雇用で大きな差がある現状は、健全な経済循環を妨げる要因になりかねません。格差是正を重点課題に据えた今回の判断は、今の日本社会が抱える痛みに寄り添ったものだと感じます。
不透明な経済状況下で問われる「賃上げの持続性」
しかし、この要求がすんなりと通るほど甘い状況ではないのも事実です。2019年11月現在、米中貿易摩擦の長期化が影を落とし、これまで堅調だった企業業績には陰りが見え始めています。経営者側からは「一律の賃上げという旧来のモデルは見直すべきだ」との慎重論が相次いでおり、交渉のテーブルは例年以上に冷え込むことが予想されるでしょう。
SNS上の反応を覗いてみると、労働者側からは「物価も上がっているのだからベアは必須」という切実な声がある一方で、「業績が悪化している中で本当に可能なのか」といった冷ややかな意見も散見されます。経営側と労働側の温度差が浮き彫りになる中で、2019年12月3日に開催予定の中央委員会にて、この方針がどのように正式決定されるのかが大きな焦点です。
個人的な見解を述べさせていただきますと、企業が将来への不安から内部留保を溜め込む気持ちも理解できますが、消費を活性化させるためには家計への還元が不可欠です。一律のベアが難しい局面であればこそ、今回連合が示したような「実額」での議論を通じて、より透明性の高い賃金体系を構築するチャンスに変えていくべきではないでしょうか。
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