脱プラとバイオプラスチックが仕掛ける新時代の覇権争い!国際ルールを制する者が巨万の環境市場を支配する仕組みとは

未来の地球を揺るがす気候変動問題は私たちの大きな脅威ですが、視点を変えれば先進企業にとって空前絶後のビジネスチャンスとなります。この巨大な環境需要を掴み取るため、欧米の国々や企業はすでに激しい市場開拓に乗り出しているのです。官民がスクラムを組み、市場の開拓と世界標準の規制づくりを同時に進める戦略で、世界市場の主導権を一気に握ろうとしています。

その代表例が、アメリカが誇る「バイオプリファード」という画期的なプログラムでしょう。これは、2002年に制定された生物由来の成分を含む製品を公的に認証する制度です。米農務省が指定する洗浄剤や塗料など97分野において、すべての連邦機関に対して認証ラベル付き製品の購入を法律で義務付けており、国を挙げた強力な市場創出が行われています。

一方、ヨーロッパでも環境問題への意識は非常に高く、欧州委員会が2018年1月16日に「プラスチック戦略」を採択しました。2030年までに域内のすべてのプラスチック製容器や包装をリサイクル可能なものに変えるという野心的な目標です。この方針に基づき、2021年までには使い捨てストローなどの流通を禁止する具体的な法制化が着実に進んでいます。

さらに、国際的な規制も日本を追い詰めます。2019年5月10日に有害廃棄物の国境を越えた移動を規制する「バーゼル条約」の改正が決まりました。2021年からは汚れた廃プラスチックを輸出する際、相手国の同意が必須となるため、これまで海外に処理を依存していた日本の廃プラスチックは行き場を失うスリリングな局面に突入します。

SNSでも「日本は技術があってもゴミを外国に押し付けていただけ」「自国で処理循環させるビジネスが急務」といった、現状への危機感と新産業への期待が入り混じった声が急増しています。こうした背景を受け、世界中でバイオプラスチックの需要が爆発しており、今後5年間で市場が約25%も急成長するという予測に世界中が沸き立っている状況です。

ここで解説しておきますと、バイオプラスチックとは、トウモロコシなど植物由来の資源を原料とする「バイオマスプラスチック」と、微生物によって最終的に水と二酸化炭素に分解される「生分解性プラスチック」の総称を指します。従来の石油由来とは異なり、CO2排出量を抑制できるため、持続可能な社会に不可欠な次世代の基幹素材なのです。

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日本の卓越した技術を世界基準へ!待ちの姿勢から脱却する大転換のすすめ

わが国はどうかといえば、官民ともに優れた技術の開発ばかりに熱中し、肝心の国際的なルール形成において欧米の後塵を拝している印象が拭えません。私は、どれほど日本企業の技術が優れていても、世界のデファクトスタンダード(事実上の業界標準)に適合しなければ、宝の持ち腐れになってしまうと強く危機感を抱いています。

現在、環境省も「バイオプラスチック導入ロードマップ」の策定を検討し始めています。しかし、日本企業はただ規制が整うのを待つのではなく、自らの優れた技術が世界標準として採用されるよう、自ら国際舞台のリーダーシップを執るべきです。技術開発と法制度の設計をセットにした、攻めの戦略を描くことが今まさに求められています。

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