2019年12月23日、日本銀行大阪支店が発表した最新のデータによると、11月における関西エリアの百貨店免税売上高は、前年同月と比較して7.2%の減少を記録しました。10月には10.9%という大幅な落ち込みを見せていたため、数字の上ではわずかに持ち直した印象を受けるかもしれません。しかし、2カ月連続で前年実績に届かない厳しい状況が続いており、関西経済の牽引役だった免税ビジネスに影を落としています。
今回の減収において特に注目すべき点は、これまでインバウンド需要の主役として爆発的な人気を誇っていた「化粧品」の販売が苦戦を強いられていることです。高額なブランド品や限定コスメを買い求める訪日外国人の姿は百貨店の日常風景でしたが、その勢いには明らかに変化が生じています。売上金額だけでなく、購入された「件数」そのものも前年を下回っている事実は、客足自体が遠のいている可能性を強く示唆していると言えるでしょう。
SNS上では、このニュースに対して「百貨店のコスメカウンターが以前ほど混雑していない気がする」「転売対策の影響が出ているのではないか」といった鋭い指摘が相次いでいます。また、「インバウンドに頼りすぎたツケが回ってきたのでは」という厳しい意見も見受けられました。消費者の視線は非常に冷静であり、特定の国や特定の商品カテゴリーに依存し続けるビジネスモデルの限界を、多くの人々が敏感に感じ取っている様子が伺えます。
日本百貨店協会の全国調査では、11月の免税売上高は5.3%減と報告されており、関西の7.2%減という数字は全国平均よりも深刻な下落幅となっています。これは、関西がそれだけ訪日観光客の恩恵をダイレクトに受けていた裏返しとも言えますが、依存度が高い分だけ反動も大きくなっています。ここで言う「免税売上高」とは、消費税の免除対象となる外国人観光客などによる購入額を指し、地域の景気感を知るための重要な指標の一つです。
編集者としての私見ですが、今回の結果は単なる一時的な落ち込みではなく、インバウンド市場が「質」を重視する成熟期に入った兆候ではないかと考えています。大量購入を目的とした訪日客から、体験やこだわりを重視する層へシフトする中で、百貨店には「免税」というお得感以上の価値提供が求められています。安易な値引きやトレンド頼みのMD(商品計画)を見直し、日本でしか味わえない接客体験や独自のブランドストーリーを再構築すべき時期でしょう。
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