2020年01月06日の朝、東京都千代田区に鎮座する神田明神は、新年の決意を胸に秘めた多くのビジネスパーソンで活気にあふれていました。日本の経済を動かす大手町や丸の内といったオフィス街にほど近いこの神社には、毎年仕事始めの日に多くの企業関係者が初詣に訪れます。スーツ姿の参拝客が真剣な表情で手を合わせる光景は、新年の幕開けを告げる冬の風物詩と言えるでしょう。SNS上でも「神田明神の混雑ぶりが凄い」「今年も仕事のモチベーションが上がった」といった、熱気あふれる投稿が相次いでいます。
インターネット上での学びを可能にするeラーニング(イーラーニング)や、遠隔での採用活動を支援するウェブ面接などのシステムを手がけるIT企業の男性は、満面の笑みで昨年を振り返っていました。労働環境の抜本的な見直しを目指す「働き方改革」の波が大きな追い風となり、2019年は前年の2倍を上回る売上目標を見事に達成されたそうです。こちらの企業では2020年03月までに10人以上の新しい仲間が加わる予定とのことで、組織の拡大とともにさらなる飛躍を目指す力強い勢いが感じられます。
一方で、時代の変化に伴う新たな課題や不安と向き合いながら、神田明神の神前にて祈りを捧げる経営者たちの姿も深く印象に残りました。都内で飲食業を営む男性は従業員を引き連れて10回目となる参拝を行い、着実な業績向上への感謝を述べつつも、近年多発する大型台風などの自然災害に対して強い警戒感を示しています。食材の流通や価格を大きく左右する天候のリスクは、現場を預かる身としては死活問題であり、今年こそは平穏な1年であってほしいという切実な願いには深く共感せざるを得ません。
また、オリンピックイヤーを迎えた建設業界からも、今後の動向を冷静に見据える声が上がっていました。世田谷区から訪れた建設業の経営者は、昨年の好調な波を維持しつつも、国際的な大イベントが閉幕した後に予想される景気の冷え込みを懸念されています。しかし、手がける業務は五輪関連だけに留まらないため、独自の強みを活かして今年も安定した高業績を維持したいと前を向いていました。時代の転換期だからこそ、外部の環境に左右されない底力が企業には求められているのでしょう。
そもそも神田明神は、今から遙か昔の730年に現在の大手町周辺に創建されたという、非常に深い歴史を持つ由緒正しき神社です。関東の自立を掲げて果敢に戦った平安時代の武将である平将門を祀っていることでも有名であり、江戸時代には徳川幕府から絶大な崇敬を受けて大いに栄えました。時代の荒波を乗り越えてきた力強い神様だからこそ、現代の厳しいビジネス社会を生き抜くリーダーたちから、これほどまでに厚い信頼を寄せられているのかもしれません。
不確実性が高まる現代のビジネスシーンにおいて、神頼みという行為は単なる神話への依存ではなく、自らの決意を新たにするための大切な儀式です。日々目まぐるしく変化する市場や予期せぬ災害に立ち向かうためには、経営者や労働者が一丸となって進むべき方向性を再確認する必要があります。神田明神に集う人々の熱い祈りを取り込みながら、それぞれの企業が新時代にふさわしいイノベーションを起こし、日本経済全体が持続可能な形で発展していくことを切に願ってやみません。
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