富士フイルムが米ゼロックスと決別!事務機市場の支配図を塗り替える「下克上」の勝算とSNSのリアルな反応

長年にわたりビジネスの世界で強固な絆を誇ってきた巨頭たちが、ついに独自の道を歩み始めました。富士フイルムホールディングスは、半世紀に及ぶ米ゼロックスとの共同出資関係にピリオドを打ち、自社だけのブランドで事務機の世界市場へ打って出ます。かつては米ゼロックスの買収を計画していた同社ですが、状況は一転して完全な決別へと至りました。この大胆な決断を率いるのは、2000年の社長就任以来、事実上のトップとして君臨する古森重隆会長兼最高経営責任者です。

事態が大きく動いたのは2019年11月5日のことです。東京・六本木に位置する本社の取締役会において、富士フイルムが富士ゼロックスの全株式を約2500億円で買い取ることが決議されました。実は2018年1月末の時点では、米ゼロックス自体を買収して経営統合する「ゲームチェンジ」を狙っていました。しかし、米国の著名な投資家であるカール・アイカーン氏ら「物言う株主」からの激しい反発に遭い、法廷闘争や経営陣の交代を経て、買収契約は一方的に破棄されてしまったのです。

泥沼の闘争を目の当たりにした古森氏は、一部の株主に振り回される企業を買い取るリスクを嫌気し、自立の道を模索し始めました。SNS上でもこの決断には驚きの声が広がっています。「ゼロックスの名前が消えるのは時代が変わった証拠」「むしろ足枷が外れて動きやすくなるのでは」といった、富士フイルムの攻めの姿勢を好意的に捉えるコメントが相次ぎ、ネットメディアでも大きな注目を集めています。

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不平等条約からの脱却と逆転した技術力

今回の合弁解消の背景には、長年蓄積された契約への不満もありました。富士ゼロックスの玉井光一社長が驚いたのは、毎年100億円を超えるブランド使用料を支払い、特許権も相手に有利という不平等な契約内容です。1962年の発足当時は米ゼロックスが世界初の複写機を開発した技術の「師」でしたが、現在では立場が逆転しています。主力製品の多くを日本側が開発・供給しており、技術力ではすでに優位に立っているのです。

ここで注目したい専門用語が「OEM」です。これは「相手先ブランドによる生産」を意味する言葉で、自社で製造した事務機を他社の名前で販売してもらう仕組みを指します。米ゼロックスとの縛りがなくなったことで、富士フイルムは欧米の様々な企業へこのOEM供給ができるようになり、新たな販路を自由に開拓する権利を手にしました。世界を舞台に、かつての師匠に対して真っ向から勝負を挑む準備が整ったと言えます。

米ゼロックス側は、富士ゼロックスからの製品調達を減らす姿勢を見せていますが、他社への切り替えには莫大な開発費がかかるため、今後5年間は調達を続ける見通しです。この猶予期間があるうちに自前の販売網を築けるかが、勝負の分かれ目となるでしょう。市場はこの決断を高く評価しており、2020年1月9日には富士フイルムの株価が約12年ぶりに最高値を更新し、2019年度の連結営業利益も過去最高を見込んでいます。

私は今回の決断を、日本企業がグローバル市場で真の自立を果たすための「偉大なる挑戦」だと確信しています。リーマン・ショックの赤字から見事に復活を遂げた同社ですが、2021年4月に自社ブランドへ完全移行した後は、アジア市場などで厳しい競争が待ち受けているはずです。知名度のハンデを乗り越え、名実ともに世界の覇権を握れるか、同社の真価が試されるのはまさにここからです。

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