マネーフォワード赤字拡大の真相!SaaS市場の激化するシェア争いとM&A戦略の未来

クラウドを通じて便利なソフトウェアを提供する「SaaS(サース)」の領域で、今まさに激しいシェア争いが巻き起こっています。家計簿アプリや会計ソフトで知名度が高い株式会社マネーフォワードは、2020年1月14日に2019年11月期の連結決算を発表しました。その売上高は前の期と比べて5割強も伸びるという急成長を遂げています。しかしその一方で、顧客を獲得するための広告宣伝費などが重くのしかかり、最終的な赤字幅は3倍にまで膨らむ結果となりました。

インターネット上のSNSでも、この決算発表は大きな注目を集めている状況です。「売上高の驚異的な伸びは素晴らしい」と成長性を高く評価する声がある一方、「ライバル企業との顧客争奪戦が想像以上に激しいのではないか」といった懸念の意見も少なくありません。多くのユーザーや投資家たちが、これからの展開をハラハラしながら見守っている様子がうかがえます。企業の体力を削る先行投資の段階から、いつ抜け出せるのかが最大の関心事と言えるでしょう。

マネーフォワードの辻庸介社長は2020年1月14日の記者会見で、全ての事業が順調に伸びていることを力強くアピールしました。なかでも会社全体の売上を引っ張るのが、法人向けに展開しているクラウド事業です。売上高は56パーセント増の71億円に達しており、ビジネスの土台は着実に大きくなっています。同社は会計事務所などと強力なタッグを組み、中小企業に対してクラウドへの移行を促す還元キャンペーンを延長して、需要の取り込みに必死です。

こうした貪欲な姿勢の裏には、ライバルである「freee(フリー)」の存在があります。実はfreeeが2019年12月に東証マザーズへの上場を果たし、2020年1月14日時点の時価総額でマネーフォワードを上回る規模になりました。この強力なライバルの出現に対して辻社長は、法人向け事業への投資をさらに加速させる方針を示しています。業界のトップを狙うための戦いは、一歩も引けない状況に突入したと考えて間違いありません。

現在はまさに市場の主導権を握るための我慢比べが続いており、2019年11月期の最終損益は25億7200万円の赤字を記録しました。同社は2021年11月期までに、税金や利息、設備の減価償却費などを差し引く前の利益を示す「EBITDA(イービットディーエー)」を黒字にする計画です。これは、本業でどれだけ現金を生み出せているかを表す重要な指標となります。この目標を達成できるかどうかが、今後の成長を占う試金石になるはずです。

私は、この一見すると無謀にも思える赤字拡大戦略こそが、将来の巨大な利益を生むための勝負どころだと考えています。なぜならマネーフォワードは、ライバルとは異なる「M&A(企業の合併・買収)」という独自の武器で戦っているからです。2017年の上場以降、データ入力の代行会社など4社を次々とグループに迎え入れました。さらに2019年11月には比較サイト運営会社を子会社化し、顧客の開拓力を一段と強めています。

日本の会計業務におけるクラウド浸透率は、アメリカの53パーセントに対してわずか14パーセントと、非常に低いのが現状です。だからこそ、今のうちに資金を投入して市場を独占することには大きな価値があります。買収した企業との相乗効果をしっかりと発揮し、新規事業を軌道に乗せられるかが同社の命運を握るでしょう。既存のサービスを守るだけでなく、M&Aで仕込んだ種をどれだけ早く収益という果実に変えられるか、今後の手腕に期待が集まります。

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