私たちの生活に欠かせないインターネットの世界で、今まさに巨大な地殻変動が起きています。動画配信サービスの普及やあらゆるモノが繋がる「IoT」の進化に伴い、日々膨大なデータが世界中を行き交うようになりました。このデジタル社会を影で支えているのが、データの処理や保管を行う「サーバー」と「ストレージ(記憶装置)」です。電子情報技術産業協会(JEITA)の予測によると、2020年の世界生産額は前年比5%増の10兆9227億円に達する見通しで、市場は極めて活況を呈しています。
SNS上でもこのデータ爆発に関する関心は高く、「動画の画質が上がるのは嬉しいけれど、通信インフラの負担は凄そう」「クラウドの裏側にある物理マシンの進化が気になる」といった声が数多く見られます。4Kなどの高精細な動画や、膨大な情報の塊である「ビッグデータ」、さらには人工知能(AI)の活用には、極めて高度な処理能力が欠かせません。こうした背景から、現在はより処理能力が優れた高性能な上位機種へのリプレイス(買い替え)が世界規模で急速に進んでいるのです。
インテル製MPU搭載サーバーへの移行とSSDがもたらす省電力化の波
特に注目を集めているのが、米インテル社の超小型演算処理装置である「MPU」を搭載した「IAサーバー」の動向でしょう。MPUとは、コンピューターの頭脳として計算や処理を司る最重要パーツのことです。このIAサーバー市場では、1台あたり100万円から300万円台にのぼるハイエンドな上位モデルへの切り替えが顕著になっています。企業のデジタルトランスフォーメーションを加速させるため、心臓部への投資を惜しまない姿勢が現在のトレンドと言えます。
また、データセンターの運営において大きな課題となっているのが「消費電力の削減」です。これまでは磁気ディスクを回転させてデータを読み書きする「HDD」が主流でしたが、現在はより省電力で高速な「SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)」への移行が加速しています。SSDは半導体メモリを使うため、モーター駆動のHDDに比べて圧倒的に電力を消費しません。環境負荷を減らしつつ処理速度を向上させるという、現代のITインフラに必須のアップデートが進行中です。
次世代通信規格「5G」の幕開けとデータインフラの未来
さらに2020年は、次世代通信規格である「5G」の本格的な導入期を迎える記念すべき年でもあります。JEITAは、この5Gの登場によってモバイル向けの映像配信サービスがさらに爆発的な広がりを見せると予測しました。これに伴い、サービスを提供する基盤となるITプラットフォームの構築が世界中で一層盛んになることは間違いありません。大容量通信が当たり前になる未来の裏側では、超高速処理を支える強固なインフラへの需要が絶え間なく生まれ続けるでしょう。
編集部としては、このサーバー・ストレージ市場の拡大は一過性のブームではなく、次世代の社会基盤を作るための必然的な投資であると考えています。5GやAIがもたらす便利な社会は、これら最先端のハードウェアの進化があってこそ成り立つのです。単なる数字の増加以上に、私たちの未来の暮らしを豊かにするイノベーションがこの10兆円超の市場に詰まっていると感じます。データ社会の進化から、今後も目が離せそうにありません。
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