【2020年4月施行】120年ぶりの民法改正でビジネスはどう変わる?IT・建設業界が直面する「契約の新ルール」とリスク管理の全貌

私たちの生活やビジネスの根幹を支える法律が、今、大きな転換期を迎えようとしています。2019年11月17日現在、およそ120年ぶりとなる民法の大規模なアップデートが話題となっており、2020年4月1日の施行を控えて多くの企業が対応に追われています。今回の改正は、インターネットが普及した現代社会の実態に合わせ、明治時代から続く古いルールを分かりやすく整えることが目的です。

SNS上では「契約書の書き換えが大変そう」「これまでの商習慣が通用しなくなるのでは」といった不安の声が上がっています。特に注目されているのが、システム開発や建設業といった受託ビジネスにおける責任の範囲です。これまでの「当たり前」が覆される可能性があり、企業の法務担当者や経営者にとっては、リスク管理の再構築が急務といえるでしょう。

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システム受注者の負担増?「契約不適合責任」の衝撃

IT業界で最も懸念されているのが、不具合に対する「保証期間」の考え方です。これまでは、システムを引き渡してから1年間が責任期間とされてきましたが、改正後は「発注者が欠陥に気づいてから1年以内」へとルールが変わります。これは専門用語で「契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)」と呼ばれ、成果物が契約内容に適合していない場合に受注者が負うべき責任を指すものです。

もし契約書に具体的な期間を明記していなければ、納品から数年が経過していても、発注者が不具合を発見した時点で責任を追及されるリスクが生じます。この変化に対し、業界大手のNTTデータは長期的なリスクを見込んだ体制強化の必要性を指摘しています。受注者側が不当に長い期間、不安定な立場に置かれることを防ぐため、より緻密な契約締結が求められるでしょう。

こうした事態を受け、電子情報技術産業協会(JEITA)は2018年に懸念を表明し、2020年版の「ソフトウェア開発モデル契約」を策定しました。一方で、富士通やNECといった大手各社は、顧客との信頼関係や実務上の混乱を避けるため、従来の慣行をベースにした契約維持を模索しています。法改正を逆手に取り、自社を守るための「特約」をいかに設定するかが今後の鍵となります。

建設業界に激震!債権譲渡の自由化がもたらす影響

変化の波は建設業界にも押し寄せています。これまで一般的だった、工事代金を受け取る権利の譲渡を禁止する「債権譲渡制限特約」が、2020年4月以降の契約では事実上無効化される方向です。これは、中小企業が売掛金を担保に資金調達をしやすくするための施策ですが、発注者側にとっては代金の支払い先が突然変わるという不透明なリスクを抱えることになります。

日本建設業連合会は2019年10月に解説パンフレットを作成し、周知に努めています。国土交通省も2019年12月を目途に新しい契約書のひな型を公表する予定であり、各社はその内容を注視している状況です。法律が変わるからこそ、単に条文をなぞるのではなく、自社のビジネスモデルに合わせた「攻めの契約戦略」を構築することが、これからの時代を生き抜く編集者としての私の提言です。

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