あの国民的ソーセージが、驚きの進化を遂げて私たちの食卓にやってきます。日本ハム株式会社は、不動の人気を誇る「シャウエッセン」のジューシーなお肉を、なんとベーコンの形に成形した新商品「シャウBACORON(ベーコロン)」を2020年2月下旬より全国で発売すると発表しました。内容量は120グラムで、希望小売価格は税別327円となっています。一見すると通常のベーコンのようですが、最大の違いは一枚肉ではなく、旨味が凝縮されたミンチ肉を成形して作られている点です。
このユニークな名前は、同社の食育キャラクター「ハムリンズ」の一員である「ベーコロン」から名付けられました。シャウエッセンならではの濃厚な肉の旨味とジューシーさをそのまま受け継いでおり、一般的なベーコンよりも柔らかく、しっとりとした噛み応えが特徴です。開発のきっかけは、多くの消費者がシャウエッセンをチャーハンや焼きそばの具材として刻んで使っている日常の一コマでした。このライフスタイルに着目し、より調理しやすく、料理に馴染みやすい革新的な形が生み出されたのです。
実は、1985年の誕生以来、このブランドには「味違いは出さない」といった伝統を守るための厳しい不文律が存在していました。その高いブランド力ゆえに、これまでは50歳代から60歳代のシニア層が購買客の大半を占めていたのも事実です。しかし、若者世代との距離を縮めるために2019年から戦略を大きく転換しました。2019年2月には刺激的な「ホットチリ」を、同年8月には濃厚な「チェダー&カマンベール」を相次いで投入し、大きな話題を呼んでいます。
同時にSNSでの情報発信を積極的に強化した結果、ネット上では「あのシャウエッセンに新しい味が広がるなんて胸熱!」「おつまみに最高すぎる」といった歓喜の声が溢れ、20歳代から30歳代の若いファン層の獲得に見事成功しました。伝統に縛られず、現代のニーズに寄り添う姿勢が多くの共感を集めています。さらに、料理の素材として幅広く使えることを目指して2019年2月に発売された「あらびきミートローフ」も、これまでの「パリッとした食感」という絶対的なルールを打ち破り、大ヒットを記録しました。
今回の新商品は、まさにその柔軟な発想の延長線上にあります。現在、ベーコンの原料肉は価格が高騰しており、市場では手頃な価格のベーコンが手に入りにくくなっています。今回の試みは、そんな日本の市場へ対する非常にタイムリーで価値のある提案と言えるでしょう。単なる話題作りに留まらず、家計を預かる消費者の悩みを解決しつつ、老舗ブランドが持つ「日本人の味覚に最もマッチする肉の配合」という絶対的な強みを最大限に活かした素晴らしい戦略だと私は確信しています。
守るべき伝統の味を核に据えながら、自由な発想で形を変えていく姿勢こそ、これからの時代に求められる企業の姿ではないでしょうか。この大胆な「シャウエッセン改革」によって、ブランド全体の売り上げは2018年度の670億円から、2019年度には700億円へと大きく飛躍する見込みです。新商品の年間販売目標は15億円に設定されており、その期待の高さが伺えます。私たちの食卓をより豊かに、そして便利にしてくれる革新的な新商品の登場が、今から本当に待ち遠しいですね。
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