内部通報者保護法改正へ!企業不祥事を防ぐ新ルールと安心のホイッスルブローイング

企業による不正を内部から告発する「ホイッスルブローイング」。この勇気ある行動を守るための法律が、大きな転換期を迎えています。政府は2020年1月20日に召集される通常国会へ、公益通報者保護法の改正案を提出する方針を固めました。2006年4月の施行以来、実は今回が初めての抜本的な見直しとなります。これまでは通報しても守られにくいという大きな課題がありましたが、ついに国が重い腰を上げた形です。

これまでの制度が機能していなかった背景には、深刻な現実がありました。例えば2018年に明るみに出たスルガ銀行の不正融資問題では、第三者委員会から「通報しても改善される期待が社員に全くなかった」と冷ややかな現状を指摘されています。SNS上でも「告発しても自分が不利益を被るだけ」「揉み消されるのがオチ」といった諦めの声が数多く溢れていました。こうした状況を打破するために、今回の法改正はまさに念願のアップデートと言えます。

今回の論点整理では、従業員数が301人以上の大企業に対して、内部通報を受け付ける専用窓口の設置や仕組みの周知を義務付ける方針が示されました。一方で中小企業については、事務的な負担を考慮して努力義務に留める見込みです。さらに保護される対象も現役社員だけでなく、退職者や役員にまで広げられます。退職後の再雇用拒否や退職金の不支給といった、企業側からの陰湿な報復措置を防ぐ狙いがここにあります。

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立証責任の緩和で通報者の負担を軽減へ

現行の法律では、通報者が企業を訴える際に「信ずるに足りる相当の理由」、つまり確実な証拠や目撃情報を示す必要があり、これが高いハードルとなっていました。証拠が不十分だと、解雇などの報復を受けても守られないリスクがあったのです。そこで今回は、裁判でどちらが事実を証明するかという「立証責任」の負担を和らげるため、事実上の推定という仕組みを活用する方向性が打ち出されました。

ここで言う「事実上の推定」とは、通報者が一定の事実を証明すれば、一見して不当な報復があったとみなされ、企業側が反論できなければ通報者の訴えが認められやすくなる法的な考え方です。さらに、行政機関へ通報する際のハードルも下げられます。実名と違反内容を明らかにすれば保護対象になる案が浮上しており、これまで孤独な戦いを強いられていた通報者にとって、非常に心強い味方となるでしょう。

私は今回の法改正について、日本の企業倫理を健全化するための極めて重要な一歩だと確信しています。これまでは「密告者」として不当に不利益を被ってきた労働者が、今後は正当に守られる社会へ進むべきです。ただし、中小企業が努力義務に留まる点には懸念が残ります。不正は企業の規模を問わず起こるからこそ、すべての働く人が怯えずに声を上げられる環境作りへ、さらなる実効性の向上を期待したいところです。

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