2020年01月11日、お正月休みの帰省や旅行で久しぶりに飛行機を利用した方々から、驚きの声が上がっています。というのも、日本の空の玄関口である空港の保安検査が、以前に比べて大幅に厳格化されているからです。国内線の利用であっても、くるぶしまで隠れるブーツなどの靴は一律で脱がされるようになり、上着やコートもX線検査を通さなければなりません。この変化に伴い、出発ロビーの検査場にはかつてないほどの長蛇の列が出現しています。
実はこの厳格な措置は、2019年09月13日から国土交通省の主導でスタートしたものです。日本中が沸いたラグビーワールドカップや、目前に迫る東京オリンピック・パラリンピックという国際的大イベントを見据え、テロに強い安全な国をアピールする狙いがあります。ネット上でも「靴まで脱ぐのは面倒だけど、これからの時代は仕方のない防犯対策かもしれない」といった、安全性を支持しながらも手続きの煩雑さに戸惑うSNSの反響が数多く見られます。
そんなセキュリティ強化の真っ只中で世間を震撼させたのが、日産自動車の元会長であるカルロス・ゴーン被告の海外逃亡劇でした。この大事件によって、一般旅客が厳しいチェックを受ける一方で、富裕層が利用するプライベートジェット(個人や法人が所有・チャーターして運航する専用飛行機)の検査がいかに甘かったかという衝撃の事実が広く知れ渡ることになったのです。
報道によると、それまでプライベートジェットの保安検査は法律上の義務ではなく、大型荷物のチェックも驚くほど簡易的だったとされています。これを受けて国は急ピッチで改善策を打ち出しましたが、VIPや資産家だからといって犯罪に手を染めないという保証はどこにもありません。一般庶民が長い列に並んで靴まで脱がされる一方で、特権階級に「顔パス」のような優遇が通用するようでは、利用者の不満が募るのも当然でしょう。
編集部としては、安全対策に立場や貧富の差はあってはならないと考えます。真の「おもてなし」とは、すべての利用者に等しくルールを適用し、徹底した安全管理を行うことです。さらに懸念されるのは、国策として寄港数が増加している大型クルーズ船の入国審査です。税関職員の負担が限界を迎える中、地方港の警備の隙を突いた密輸などの犯罪リスクも否定できません。誰もが少しの不便を我慢し、全員で安全を守る意識を持つことこそが、今の日本に最も求められているのではないでしょうか。
コメント