2020年1月22日、岡山県玉野市にある三井E&S造船の玉野艦船工場にて、海上自衛隊の新しい音響測定艦の進水式が華やかに執り行われました。式典には関係者だけでなく、多くの市民を含む約650人が集まり、新しい船出を熱いまなざしで見守っています。注目の艦名は、瀬戸内海の穏やかな海域である安芸灘に由来して「あき」と命名されました。今後は内装や装備の取り付け工事が進められ、2021年3月に防衛省へ引き渡される計画です。
この「あき」は、海中に潜む潜水艦などが発する微小な音を捉え、そのデータを収集・分析する重要な任務を担います。現代の海洋安全保障において、静粛性を増す外国籍の潜水艦を早期に察知する能力は欠かせません。日本周辺の海防を支える目であり耳となる存在として、国民の安全を守るための大きな期待が寄せられているのです。ネット上でも「これからの日本の海を守ってほしい」「進水の瞬間はいつも感動する」といった、期待と興奮の声が数多く寄せられています。
本艦の最大の特徴は、波の影響を最小限に抑える「半没水型双胴船型(SWATH船型)」という非常にユニークな構造を採用している点でしょう。これは船体を2つの魚雷のような潜水体に支えさせ、波の立つ海面との接触面積を極限まで減らした特殊な設計です。これにより、荒れた海上でも船体が揺れにくく、非常に安定した状態で高精度な音響測定を続けることが可能になります。まさに高度な造船技術が凝縮された最先端のメカニズムといえます。
建造費に226億円が投じられた「あき」は、全長67メートル、幅29.9メートル、基準排水量2900トンという堂々たる体躯を誇ります。海上自衛隊が音響測定艦を建造するのは実に約30年ぶりのことで、これまでに運用されている「ひびき」と「はりま」も同社が手がけました。これまでのノウハウを受け継ぎつつ、さらに進化した技術が盛り込まれた本艦は、これからの四方を海に囲まれた我が国の防衛戦略において、極めて重要な役割を果たすに違いありません。
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