日本のデフレの本質に迫る!名実逆転の謎と私たちが向き合うべき「労働の質」とは?

日本の経済が伸び悩んでいると言われて久しいですが、その実態は驚くほど深刻です。2000年の経済水準を100とした場合、2019年1月から2019年9月期における名目国内総生産(GDP)は、米国が209、欧州連合が175に達しています。これに対して日本は、わずか105という驚くべき低水準にとどまっているのです。こうした現状に対して、SNS上では「他国との差に愕然とする」「お給料が上がらないわけだ」といった、将来への不安やため息混じりの声が数多く寄せられています。

日本経済の最大の特徴は、実際の物量の伸びを示す「実質GDP」が117であるのに対し、金額ベースの「名目GDP」がそれを下回っている点にあります。この現象は「名・実逆転」と呼ばれ、物価が下がり続けるデフレの象徴とされてきました。これまでの経済政策は、デフレさえ脱却すれば景気は回復するという仮説のもと、異次元の金融緩和や円安誘導に躍起になってきたのです。しかし、物価を無理に引き上げようとした政策が空回りしたことは、現在の状況を見れば明らかでしょう。

スポンサーリンク

デフレの正体と私たちが目指すべき働き方

ここで重要となる指標が、名目GDPを実質GDPで割って算出する「GDPデフレーター」です。これは経済全体の物価動向を示す指標であり、「生み出された成果1単位あたりの取り分(所得)」と言い換えることができます。この数値がマイナスであるということは、現場がいくら汗を流して製品やサービスを生産しても、それに見合うだけの儲けや社会全体の所得が増えていないことを意味します。私たちは頑張って働いているにもかかわらず、その努力が報われない構造に陥っているのです。

日本で物価が上がらない最大の原因は、サービス価格が停滞していることにあります。サービスの価格とは、その大半が「人件費」にほかなりません。つまり、人間が働き方を通じて生み出す「付加価値(新たな経済的価値)」が十分に高まっていないことこそが、デフレの真の正体だと言えます。効率よくモノを作る能力において、日本は決して世界に劣っていません。しかし、それがどれだけの金額的価値を生み出せているかという、労働の質が今まさに厳しく問われているのです。

私は、この問題の本質は単なるマクロ経済の数字ではなく、日本の労働環境そのものにあると考えます。安価で高品質なサービスを求めるあまり、現場の労働力が過剰に買い叩かれているのではないでしょうか。企業は価格競争に走るのをやめ、従業員の生み出す知恵や付加価値を正当に評価して価格に転嫁すべきです。今こそ労働の質を高め、頑張った分だけ全員の給与が上がるような、前向きな経済への転換を国全体で模索していく必要があります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました