2020年1月31日、中国で1月分の製造業購買担当者景気指数、いわゆるPMIが発表されました。PMIとは、企業の購買担当者にアンケートを行い、景況感を数値化した重要な先行指標のことです。好不況の分かれ目となる50を維持したものの、市場の注目は数字そのものよりも、その「鮮度」に集まりました。
調査が1月20日以前に完了していたため、世間を騒がせている新型肺炎の影響がほとんど反映されていないのです。習近平国家主席が対策を指示したのがまさにその20日であり、まさに嵐の前の静けさを切り取ったデータといえるでしょう。市場からは肩すかしを食ったという声も漏れ聞こえ、SNS上では「今の実態を映していない指標に何の意味があるのか」といった戸惑いの声も上がっています。
見えない実態と統計の空白
さらに深刻なのは、これから続く「統計の空白期間」です。例年、春節(旧正月)の時期は統計の振れ幅が非常に大きいため、中国政府は1月と2月の生産や消費統計をまとめて3月中旬に公表します。そのため、次に判断材料となるのは2月29日に予定されている2月分のPMIのみとなります。
経済の専門家の間でも、今回の影響について意見が真っ二つに割れています。野村国際の陸挺氏は、かつて流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)以上の深刻な打撃を予測し、2020年1月から3月期のGDP成長率が2%以上押し下げられると警告しています。一方で、復旦大学の魏尚進氏は、4月初めの収束を前提に、年間を通じた影響は0.1%程度に留まると楽観的な見方を示しました。
私個人としては、今回の統計で安心感を得るのではなく、むしろ見えないリスクがいかに巨大であるかを直視すべきだと考えています。春節明けの経済活動がどう動くのか、この「空白期」にこそ、冷静かつ多角的な視点で状況を注視していく必要がありそうです。
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